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仮想通貨(暗号資産)

ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)や取引所のリスク

2017年8月1日

ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)とFX(外国為替証拠金取引)と比べると、暗号資産のリスクの高さが目に留まります。

そこで、リスクを確認しましょう。

ビットコイン等の取引所のリスク

暗号資産の法制度が劇的に改善し、この記事を公開している時点で一応のめどがついたようにも見えます。

とはいえ、完璧な仕組みは存在しませんので、一つずつ見ていきましょう。

自己ポジション

下は、業界団体であるJCBA(日本仮想通貨ビジネス協会)からの引用です。2017年7月末から8月にかけての、ビットコインのハードフォークについてのFAQです。

デリバティブ取引についてマーケットメイクを行う取引所などの場合、自己ポジションのリスクマネジメントの関係から、約定数量の制限やスプレッド(売値と買値の差)の拡大などの措置が講じられる可能性もあります。

FXが主戦場であるゆったり為替の視点ですと、嫌な感じがします。

「自己ポジションがある」取引所が存在することを、業界団体自らが表明しているからです。この表現だと、自己ポジションはかなり大きいと読めます。

自己ポジションが大きすぎるとリスクになる

では、自己ポジションが大きいと何が問題なのか?ですが、損失リスクです。

例えば、取引所が自己ポジションでビットコインを1,000BTC保有したとしましょう。購入価格は、1BTC=100万円だと仮定します。すなわち、取引金額は10億円です。

そしてあるとき、何かの理由で、ビットコインが暴落したとします。40万円になったとしましょう。

すると、含み損は6億円になります。これが発生すると、安心して自分の資産を預けられません。

ちなみに、JCBAの上の例は、2017年の話です。2020年現在はどうか?ですが、自己ポジションは無視できない大きさだと予想できます。

と言いますのは、人材募集サイトを見ますと、募集人材の業務の一つに、取引所の自己ポジションの管理が入っている例があるからです。

一定規模の自己ポジションがあると予想できます。

カバー取引

さらに、JCBAの表現を見ると、カバー取引も十分にしていないと読めてしまいます(実際はどうなのか、情報公開がない模様なので不明です)。

たとえば、ヒロセ通商のホームページをご覧いただきますと、トップページにカバー先金融機関のロゴをズラッと並べています。かなりの場所を使っています。

下は、ヒロセ通商のカバー先一覧です。表示があまりに長いので、2列にしました。

カバー先

なぜ、トップページという重要な場所に、カバー先金融機関のロゴを並べる必要があるのでしょうか。

「カバー先が充実していて、かつ、カバー取引をしていることが安全性のアピールになる」からでしょう。

逆に言えば、自己ポジションが大きくてカバー取引のないFX業者は、注意が必要です。

FX業界では、カバー取引の状況が情報公開されています。毎月公開ですので、透明性がとても高いです。

ちなみに、2020年6月末現在、ヒロセ通商の未カバー率は0.7%です。すなわち、取引全体の99.3%はカバー取引を実行しているということになります。

安全度が極めて高いです。

実は、暗号資産(仮想通貨)業界もカバー率が高いのかもしれませんが、情報が公開されていない模様なので不明です。

分別管理

FXの記憶をたどりますと、分別管理に良い記憶がありません。

2008年の金商法施行前からFXをされている皆様は、ゆったり為替と同じ印象をお持ちだろうと思います。

しかし、取引所は、分別管理と信託保全の2本立てです。これが意味することを、ビットバンクが正直に公開しています。bitbankのリスク警告ページから引用します。

当社が倒産した場合には、お客様から預託された金銭及び暗号資産が当社の倒産財産に組み込まれ、利用者財産の全部又は一部をお客様に対して返還できない可能性があります。

FXの場合、私たちの証拠金は、信託銀行に保全されます。FX業者がどうなろうとも、私たちの資産は守られます。1兆円預けていても同様です。

しかし、暗号資産(仮想通貨)は、異なります。

  • 暗号資産:分別管理
  • 預入資金:信託保全

以前は、全てが分別管理でしたが、法改正により、信託保全の仕組みも導入されました。

分別管理とはすなわち、「顧客資産と会社資産を分けて管理しますよ」というだけです。分けて管理するのは、当たり前でしょう?という感じです。

取引所が破たんする場合、私たちの財産はどうなるでしょうか。よって、財務状況が極めて強い、と期待できる取引所を選ぶ必要があります。

ちなみに、「暗号資産も信託銀行で保全すれば良いのでは?」という感じかもしれませんが、それはできません。

と言いますのは、信託銀行は暗号資産を適切に保全する能力を持っていないからでしょう。

暗号資産(仮想通貨)のリスク

次に、取引所でなく、暗号資産(仮想通貨)そのもののリスクについて考察します。

プログラムにすぎない

暗号資産は、プログラムに過ぎません。プログラムですから、内容を変更することも可能です。

ビットコインの最大発行量は2,100万BTCですが、それはプログラムでそうなっているというだけにすぎません。変更することは、もちろん可能です。

すなわち、ビットコインの世界においては、一部のプログラマーの力が強いということになります。

また、ビットコインにはマイニング(採掘)という仕組みがありますが、採掘する人(マイナー)の有力者も力を持っています。

ということは、暗号資産は一部のプログラマーとマイナーに支配されていると見なせなくもありません。私たち一般ユーザーは、彼らの掌の上で動くだけの状態になり得ます。

それを阻止できる立場なのは、取引所です。

取引所がなければ、暗号資産は価値を発揮しづらいです。取引所としては、一般ユーザーが取引してくれないと手数料収入がありませんから、ユーザー寄りになるでしょう。

そこで、取引所はユーザーの立場を代弁して、プログラマーとマイナーをけん制します。

このような感じで三者がお互いに牽制しながら、ビットコインが取引されているように見えます。バランスが崩れるときが、リスクです。

インターネット上の攻撃

暗号資産(仮想通貨)は、インターネット上で活躍します。すなわち、悪意ある攻撃に常にさらされています。この攻撃をいかに回避するかも、重要なチェック事項です。

ワクチンソフトやウィンドウズの各種プログラムを常に最新にしておくのは、初歩レベルでしょう。

ゼロデイ攻撃にも耐えるシステムを組みたいところです。

ゆったり為替は、保有している暗号資産は少ないですが、ハードウォレットでも保管しています。

秘密鍵をなくしてしまったら

秘密鍵をなくしてしまったら、どうしようもありません。その暗号資産(仮想通貨)は二度と使えなくなるでしょう。

PCにウォレットを作る場合、PCが壊れた場合に備えて「復活の呪文」ともいうべきパスワード(パスフレーズ)を取得します。

パスフレーズを忘れないよう、しっかり紙に書いて保存しておきましょう(紙だと燃えてしまうので、金属板に刻み込むのが良いかも…)。

パスフレーズがあれば、PCが壊れても復活できます。

人気がなくなった暗号資産

下のリンク先記事で確認しました通り、何らかの理由で人気がなくなってしまった暗号資産は、価値がなくなってしまうでしょう。

取引所から上場廃止された仮想通貨のその後

仮想通貨の取引所は、世界中にあります。2017年5月、大手の取引所であるPoloniexが、特定の仮想通貨を上場廃止にすると発表しました。 さて、上場廃止になった仮想通貨は、その後どうなったでしょうか ...

続きを見る

ただし、暗号資産そのものはなくなりません。プログラムですから、世界のどこかのPCで稼働を続ける限り、生き続けます。

そこで、再起を期待してずっと待つことになります。あるいは、その前に売却して逃げます。

暗号資産取引をする理由

以上、仮想通貨自体のリスクを、大雑把に見てきました。

これらのリスクがあるにも関わらず、取引する理由は何でしょう。それは、リスクよりもメリットの方が大きいからでしょう。

FX(外国為替証拠金取引)も同様です。FXもリスクだらけです。それでもFXをする理由は、メリットがあるからです。リスクだけだったら、誰も見向きもしません。

そこで、リスクと上手に付き合いながら、メリットを最大限に引き出せるように努力することになります。

暗号資産とFXを比較

最後に、トレードという面で見て、暗号資産(仮想通貨)とFXのどちらがリスクが小さいか、を考えてみます。

例えば、利食いで1,000円を獲得したいとします。どれくらいのリスクを背負う必要があるでしょうか。

暗号資産の場合

暗号資産の場合、価格変動率がとても高いです。1日で10%の値動きがあることが珍しくありません。

この場合、5,000円~10,000円使って現物で買えば、1,000円の利益を見込むことが可能です。

では、買った後に10%下落したらどうする?ですが、元々の投入額は5,000円~10,000円です。トレードという観点から見ると、とても小さい額だといえます。

10%下落したら、再び同額以上の値上がりを待てば良いということになります。

その間、別の資金を投入してトレードします。全然上昇しなくてダメな状態になっても、1万円以内なら損失は限定的でしょう。

ただし、FX(外国為替証拠金取引)と異なり、スワップポイント益を見込めません。塩漬けにしている間は、何も得られないということになります。

(レバレッジ取引の場合は、毎日支出になるので注意です。)

FXの場合

FXの場合、1,000円稼ぐとすると、以下の計算が成り立ちます。

  • 100銭の利幅で1,000円稼ぐ:1,000通貨のトレード
  • 10銭の利幅で1,000円稼ぐ:1万通貨のトレード

FXの場合、暗号資産に比べて、価格変動率が極めて小さいです。その割に、時折ドカンと大きく動きます。

このため、大きな含み損になる場合、そこから復活するのに時間がかなりかかりそうです。

スワップポイントがプラスになる側でトレードしている場合は、スワップポイントを得ながら頑張ることになります(損切りしない場合)。

また、1,000円得るのに必要な金額が比較的大きくなります。上の試算では、1,000通貨~1万通貨です。米ドル/円でいえば、11万円~110万円くらいです。

レバレッジを使えるとはいえ、暗号資産の場合と比べて必要な資金が大きくなります。

FXと暗号資産、トレードの面で見てどちらが良い?

では、トータルで見て暗号資産の方が稼ぎやすいか?と言えば、そうでもありません。

例えば、価格がいきなり10分の1になっても、今と同じように稼げるか?が問題です。暗号資産全体を見ると、価格が10分の1になるのは珍しいことではありません。

暗号資産は、流動性が乏しいのが痛いです。

ユーザーが一気に相場から逃げるとき、果たして売り抜けられるか?が大きな問題です。売り抜けできないという前提でのリスク管理が必要だと感じます。

暗号資産は、ただのデータです。円などの通貨のような背景を持っていません。

これが悪い方向に一気に出る場合とはすなわち、その暗号資産の消滅です(正確には消滅しませんが、取引する人がいなくなれば消滅したも同然です)。その場合も想定が必要でしょう。

ビットコインやイーサリアムの消滅は、考えづらいですが、マイナーなものならば、現実的な問題でしょう。

という訳で、FXが良いか暗号資産が良いかという話はあまり意味を持たず、相場状況に応じてやりやすい方で取り組むという姿勢で良いと思います。

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