今回は、リピート系注文を実行中の読者の方のお便りを見ながら、考察しましょう。
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初めましてアルと申します。今年からトライオートFXとトラリピを始めた所です。トライオートFXのマイナススワップが気になり損切りを検討しています。
証拠金預託額 3,399,062円
通貨ペア | 範囲 | 含み損益 | スワップ |
豪ドル円【買】 | 75.1-85.0 | △161,946円 | 10,567円 |
豪ドル円【売】 | 75.1-90.0 | △2,977円 | |
ユーロ円【買】 | 120.1-130 | △175,271円 | △15,635円 |
NZドル米ドル【買】 | 0.601-0.700 | △80,989円 | △26,038円 |
豪ドルNZドル | △19,151円 | △3,119 |
(ゆったり為替注:上の表は、メールの数字から抜粋したものです。間違いがあるかもしれませんが、メールの意図から外れない範囲でしょう。また、豪ドルNZドルは、トライオートFXのコアレンジャーです。)
抜粋しましたが、この中で損切りしようと思っているのがNZD/USDとコアAUD/NZDとユーロ円買いの122円以上上です。
豪ドルに関しては迷っています。長期で考えればそのままですが当初は、少額で始めたものの調子に乗って元本300万まで増やしてしまいました。
その後、スワップ投資やサヤどりなどを知り、そちらにも分散したいと考えるようになりました。
約1年やってみた感想は、マイナススワップの影響をよく理解しておらずというかリピート系自動売買についてブログでのプラス報告ばかり見て、こんなに儲かるのかと始めてしまったのです。
このマイナスポジションが利益になるということは理解できたのですが、投資自体の経験が浅い為、マイナスに敏感です。
また、色々ブログを見る為に目移りもします。ですのでループイフダンやマネーパートナーズなども知りトライオートFXより良いのではと思ったりもしています。
そんな時にこちらのブログに出会いました。自分は、こういうタイプだと納得できました。
今、考えていたのは、通貨はプラススワップだけのものにしてマネーパートナーズで連続注文、メキシコペソのスワップ投資、ランドのサヤどりです。
現状のトライオートFXは辞め、この資金をこれら、または他のものへ。
そこでアドバイス頂けたらと思うのですが、トライオートFXの辞め方、もしくは豪ドルだけ残すとか、この300万の立て直し方、有効な分散の仕方など、乱文長文でわかりくくて申し訳ありませんがご教示頂けたら思います。
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アルさん、お便りありがとうございます。情報がとても多いので、順に検証していきたいと思います。
(検証の前に)教科書的な回答
最初に、教科書的な回答からさせてください。
豪ドル円の日足チャートを確認しましょう(セントラル短資FXから引用)。豪ドル円は、75円を下回った水準で推移しています。
ということは、買い注文の範囲(75.1-85.0)を下回っています。
豪ドル円が75.1円を下回ったらどうすると考えていたか?です。
- そのまま維持
- (75円を下回ったあたりで)損切り
- その他
トレード開始当初に決めた方針に従って、行動します。他の通貨ペアも同様です。こうすることで、迷うことはなくなります。
実際は、そんなに簡単にいかない
偉そうなことを書いてしまったわけですが、実際には、将来のあらゆる状態を想定してから取引するのは、容易ではありません。
現在のゆったり為替は、過去数十年の値動きを確認してから取引します。
しかし、自称個人投資家だった2004年~2008年頃は、現在と全く違いました。イケイケなブログ等の情報を鵜呑みにして、撃沈されていました。
お便りに、「リピート系自動売買についてブログでのプラス報告ばかり見て、こんなに儲かるのかと始めてしまった」とあります。アルさんは、ゆったり為替と同じ道を歩んでいるのかもしれません。
(撃沈まで、同じ道になる必要はありません。回避に努めてください。)
ウェブサイトの情報をそのまま信用しないことが、重要です。
自分の性格が分かった
ちなみに、トレードを始めたきっかけはどうであれ、含み損になることによって、アルさんは大変貴重な情報を確保できました。
それは、「このマイナスポジションが利益になるということは理解できたのですが、投資自体の経験が浅い為、マイナスに敏感です。」という文から分かります。
- リピート系注文について、理解している
- マイナスに敏感だという自分の性格が分かった
現在の含み損は将来の利食いの元になる、と理解しているのは、リピート系注文を成功させるために重要です。
そして、もっと大切なのは、自分の性格を把握できたことです。すなわち、「マイナスに敏感だ」ということです。
- マイナスのスワップポイント
- 含み損
これらに対してどのような感情を持つか、それは実際にFXをしてみないと分かりません。自分のお金に対する反応を確認できたのは、とても素晴らしいことです。
自分の性格に合わせてトレード
自分の性格に反したトレードは、苦痛でしかありません。そこで、自分の性格に合わせることになります。
今回の例でいえば、スワップポイントがマイナスになるトレードは止めよう、が選択肢になります。
含み損が全く出ないトレードは、困難です。そこで、どの金額までなら精神的に耐えられるか?を考えることになります。
今回のお便りをいただく前に、精神的な苦痛や不安を味わっているでしょう。もう耐えられない、と感じる含み損はどこなのかを考えます。
そして、その含み損に収まるように、トレードを考えます。
確定益も考慮
なお、どこまでの含み損なら耐えられるか?を考える際に、確定益も考慮します。
と言いますのは、リピート系注文は、どんどん利食いを繰り返すからです。利食いを繰り返せば、証拠金が増えていきます。
下は、ゆったり為替の公開トレード結果の推移です。2019年11月末時点で、含み損は29万円になります。そして、確定益は59万円です。
含み損だけに注目しますと、損が大きいかもしれません。しかし、確定益で59万円ありますので、合計で30万円のプラスになっています。
これなら、取引を継続できるでしょう。
自分の性格の把握が最も重要
現在のトレードに対する具体的な対応の前に、自分の性格について、長々と書いています。と言いますのは、自分の性格を知ることが、極めて重要だからです。
ゆったり為替の場合、デイトレードやスキャルピングに全く向かない性格をしています。どれだけ頑張っても、成功しないでしょう。
一方、長期のリピート系注文は、心地よいです。すなわち、ストレスがありません。含み損になっても、余裕です。自分の性格に合っているからです。
すなわち、スキャルピングは捨てて中長期トレードに絞るのが、ゆったり為替にとっての最善です。
アルさんにとっての最善は何なのか、不明です。しかし、リピート系注文に関しては、「スワップポイントがプラスになる」が最善に近そうです。
トレード方針の決定
自分の性格が分かったところで、トレード方針を策定します。いただいた情報では判断が難しいですが、ご自身で判断していただいた結果、以下の通りだったとします。
- スワップポイントはプラスが良い
- 損失は100万円まで耐えられる
- 損切りを決してしたくない
この場合は、ゆったり為替の公開トレードのような、過去の円高記録が実現しても余裕で耐えられる設定を採用することになります。
損切りしてもOKな場合は、自分が耐えられる損失額と長期チャートの両方を眺めながら、設定を考えることになります。
ツールの選択
自分の性格を把握し、トレード方針を決めてから、ようやくツールの選択になります。お便りで出てきた名前は、以下の通りです。
- トラリピ
- トライオートFX
- ループイフダン
- 連続予約注文
どれが良いか?それは、自分の性格とトレード方針を実現するのに最も良いのはどれか?という選択になります。
短期トレードなら、連続予約注文が断然有利です。超長期なら、上の3つから選ぶことになるでしょうか。相場を読んで取引するなら、トライオートFXか連続予約注文かな、という感じです。
それぞれのツールにはデメリットもありますから、自分のトレード方針に合わないものを外していきます。
ここで重要なのは、「ツールが先にあってトレード方針を決める」のではなく、「トレード方針が先にあって、それを実現するのに適切なツールを選ぶ」ことです。
お便りでは、トライオートFXから他社ツールへ乗り換えを検討、という趣旨の言葉があります。方針がないまま引っ越しても、同じ状態の繰り返しになる恐れを感じます。
現状をトレード方針に合わせる
以上の考察を経て、トレード方針が固まりました。
この段階に来たら、現状のトレードを確認します。すると、トレード方針と現状にズレが出ていることでしょう。ズレているトレードを終了します。すなわち、損切りです。
ただし、一度に全て損切りする必要はありません。
今まで、利食いを繰り返してきました。すなわち、確定益があります。確定益の範囲内で、損切りするという方法があります。
こうすれば、年間のトレード益をプラスで維持できます。
残ったポジションは、来年の確定益の範囲内で削っていきます。期待通りにいけば、損切りしているのにプラスの成績となります。
そんな面倒なことは嫌だ、心機一転、きれいなところから始める!という選択の場合は、不要なポジションを全決済します。
この回答の中で、どのポジションを損切りすべき、どのトレードをやめるべき、という回答は出てきません。なぜなら、トレード方針次第で変わってくるからです。
自分の性格とトレード方針、これが根幹となります。
ゆったり為替がしばしば使う言葉をここで書きますと、「トレード手法はどうでもいい」です。重要度は低いです。
あらゆる手法を試してみる
ただし、トレード手法はどうでも良いといっても、重要であることには変わりありません。自分に合っている手法を選択すれば、手法は何でも良いという意図です。
そして、何が自分に合った手法なのか、それは誰にも分かりません。トレードする本人にも分かりません。
そこで、これは良さそうだという手法に出会ったら、どんどん試すことが大切です。ほとんどは、ハズレでしょう。しかし、これなら何とかなりそうだという手法が見つかるかもしれません。
見つかったら、それを極めます。
いただいたメールでは、メキシコペソのスワップ投資とランドのサヤどりが出てきました。
メリット・デメリット色々ありますが、まずは自分で検討して、その検討に合格したら、やってみます。やらないと、本当のところは分からないからです。
また、こんな感じでトレードを繰り返す場合、損失が積みあがると容易に想像できます。実際、損するでしょう。
よって、トレード金額は小さくすることが大切です。お便りをいただいたリピート系注文について、対応が困難になっている理由の一つは、取引金額の大きさでしょう。
現在の金額の10分の1だけで取引していたら、対応は簡単だったと予想できます。
自分の形が見つかるまでは、我慢して小さな取引に徹することも、大切です。
メキシコペソ円の長期チャート
ちなみに、下は、メキシコペソ円の長期チャートです。
スワップポイント狙いということは、少なくとも1年間以上、ポジションを保有するでしょう。このチャート形状でスワップポイント狙いをするか、事前の検討が必要です。
2000年より前のチャートについては、掲載はやめておきます…。
まとめ
以上を簡単にまとめますと、「相場に大真面目に取り組むと、大変だ」です。
私たちは、小中高(大)と教育を受けてきました。そして、社会人になってからも勉強の連続です。そうやって、ようやく給料や事業収入を得られます。
しかし、FXや株になると、口座を作るだけで簡単に稼げるという考え方になりやすいです。いやいや、それは難しいでしょう…ということです。
トレードでの成功実現を期待しています。
トライオートFX