どのようなFXツールを使っても、うまくいかない場合があります。
トライオートFXで取引損益がマイナスになる、すなわち勝てないという状況を分析しましょう。そして、勝てない状況からの逆転を目指します。
勝てないパターンを調べる
トライオートFXに限らず、リピート系注文に概ね当てはまる内容ですが、為替レートと損益の関係は以下の通りです(買いの場合)。
- 急上昇:いい感じ
- 緩やか上昇:いい感じ
- レンジ:最も得意
- 緩やか下落:状況によってはOK
- 急落:辛い…
買いの取引ですから、為替レートが急上昇したり緩やかに上昇すれば、利食いを繰り返します。すなわち、資産は増えます。
最も得意な相場は、レンジです。利食いを繰り返します。これも、OKです。
緩やかな下落でも損益はプラスになりうるのが、リピート系注文の特徴です。為替レートの下落による損失と、日々の利食い・スワップポイントの合計額の比較で決まります。
下落相場で買っているのに、損益はプラスになりうるのです。そんなトレード方法は、なかなかありません。
そして、為替レートが急落する場合は、頑張っても損失になるでしょう。これはトライオートFXに限らず、何でもそうです。大幅下落時に買うと、厳しいです。
5つの値動きのうち、勝利パターンは3つ~4つ
上の図を見ますと、5つの値動きパターンのうち、3つの値動きで資産が増えます。緩やか下落でも資産が増えうるので、4つの値動きで資産が増える可能性があります。
5つの値動きのうち、4つの値動きを狙います。…なんだか、とっても簡単なように思えます。しかし、現実は難しいです。
トライオートFXの特徴を再確認
現実は厳しい理由を確認するために、トライオートFXの特徴を再確認しましょう。トライオートFXは、自動売買です。
下の動画は、インヴァスト証券からの引用です。為替レートの動きに合わせて、どんどん取引している様子が分かります。
買いでトライオートFXを取引しているとき、レンジ~上昇トレンドならば問題ありません。上の動画のように、取引を繰り返してくれます。
しかし、為替レートが大きく下落に転じたら、どうなるでしょうか。買い注文が約定する一方で、利食いしなくなります。含み損は増える一方です。
今まで得た利食い額とスワップポイント額を超えて、含み損がどんどん大きくなります。そして、耐えられなくなったところでロスカットです。
すなわち、勝てないという状態になります。
裁量トレードなら、買わない…はず
自動売買注文は、為替レートの急落でも買います。そのようにプログラムされているからです。
一方、裁量トレードの場合、為替レートが急落し続けていると、買わない場合が多いでしょう。損が怖いからです。
(実際は、急落の底値で恐怖のピークになってしまって買えず、その後に大幅上昇してガッカリ…ということもあるでしょう。これが難しいところ。)
いずれにしましても、下落し続ける相場で買うのは、損失リスクが怖いです。よって、買うのを控えなければなりません。
「トライオートFXで勝てない」を回避
以上の内容から、対策が見えてきます。
- 為替レートが期待通りに動く間は、自動売買を続ける
- 相場が変わったら、自動売買を停止
これは、勝てない状態に陥らないために、重要な視点でしょう。よって、相場の潮目が変わったかどうかを確認するのが、とても大切になります。
自動売買とのバランス
しかし、相場の潮目が変わったかどうかを監視し続けるのは、自動売買のメリットを失う可能性があります。
- 自動売買:放っておいても勝手に取引してくれる
- 相場監視:チャートをチェックする
自動売買は放置できるのが大きなメリットです。しかし、相場を頻繁に監視しなければならないなら、そのメリットが失われてしまいます。
どうやってバランスを取れば良いでしょうか。
短期トレードを避ける
最も簡単な対処法は、短期トレードを避けることです。
短期トレードになればなるほど、相場の潮目は頻繁に変化します。一方、自動売買は、相場の変化に関わらず、ずっと決められた取引を継続します。
要するに、短期すぎると、自動売買は簡単に破綻しやすいということです。
一方、長期トレードになればなるほど、潮目の変化はなかなか訪れません。すなわち、自動売買で放置しながら利食いを続けることが可能です。
下のチャートは、NZドル円です。1990年代半ば以降、ずっとレンジ相場だと表現可能です。
日本で個人向けFXが解禁されたのは、1998年です。
当時はトライオートFXは存在しなかったのですが、手動で同じ取引を続けたとしましょう。取引範囲は、40円~90円です。この場合、その手法を継続してきた人は、こんな感想を漏らすかもしれません。
実際のところ、こんな人はいないでしょう。しかし、長期になればなるほど放置可能というのは、確かです。
相場が変化しづらくなるからです。
損切りがどうしても嫌な場合は、極端な話、0円~80円くらいの範囲でトライオートFXを実行すればOKです。
スワップポイントがプラスである限り、「トライオートFXで勝てない」という表現は出てこないはず(ただし、資金効率が悪すぎますが…)。
そもそも…
また、そもそもの話ですが、「短期トレードで相場を読めるなら、リピート系注文を短期トレードで採用するだろうか?」という話になります。
短期で相場を読めるなら、裁量トレードでガツガツと利食いした方が有利です。
ただ、いつも短期で好成績を収められるわけではありません。そこで、中長期を視野に入れてリピート系注文を実行すると、バランスが良くなります。
短期相場を読めないならば、トライオートFXの短期トレードで勝てないというのは、自然な成り行きだと言えそうです。
相場の変化がゆっくりな時間軸で取引
以上の考察を見ますと、一定の結論が見えてきます。
これで解決できる場合もありますし、そうでもない場合もあるでしょう。しかし、視点が短期に向いているなあという場合は、中長期を見てみると、新しい発見があるかもしれません。
トライオートFX