トライオートFXとシストレ24は、いずれもインヴァスト証券のサービスです。
この2つには似ている点もありますが、大きく異なる点もあります。そこで、両者の違いを中心に考察していきましょう。
2つのサービスには、大きな違いがある
トライオートFXとシストレ24、それぞれの特徴を書き出してみます。
トライオートFX
- 自分で自動売買注文を作れる
- 自動売買注文を選択して取引することも可能
- インジケーターを使わない
- 1,000通貨から取引可能
シストレ24
- あらかじめ準備されたストラテジー(自動売買プログラム)から選んで取引
- ストラテジーの取引設定を見ることはできない
- フルオートで、ストラテジーの自動入れ替えが可能
- 主にインジケーターを使っていると予想できる
- 自分でストラテジーを作れない
- 5,000通貨から取引可能
では、両サービスを順に見ていきましょう。
トライオートFX
下は、トライオートFXの画面です。自動売買注文を作る画面ではなく、売買成績の画面です。
画面左上は、収益率などが簡潔に書いてあります。右上は、バックテスト結果です。右肩上がりの良好な成績になっています。
そして、シストレ24との違いで重要なのは、矢印のある赤枠部分です。
画像を縮小していますので見づらくなっていますが、下の情報などが書いてあります。
- 通貨ペア
- 買いか売りか
- 取引数量
- 取引開始レート
- 利食いレート
- 損切りレート など
トライオートFXは、リピート系注文の一種です。
下はリピート系注文を解説しており、為替レートが動くにつれて、「赤丸部分で買って、青丸部分で利食い」という動きを繰り返している様子が分かります。
そして重要なのは、自動売買注文の全貌が明らかにされている点です。「どこで取引を開始して、どこで決済して、再びどこで取引して…」というのが、完全公開されています。
さらに、自分で自動売買注文を作ることもできます。
なお、リピート系注文は、インジケーターを使わないのが一般的です。インジケーターは便利なツールではありますが、勉強が必要なのが厄介ですし、いつも正答するとは限りません。
インジケーターを使わないという点で、特徴があります。
シストレ24
シストレ24は、トライオートFXと大きく異なります。下は、ストラテジー「Third Brain Fx AUDUSD」の成績画面です。
左側に、チャートと成績のグラフが描いてあります(成績は、薄い緑色です)。右側に、取引内容が書いてありますが、矢印がある赤枠部分が特徴的です。
一部を抜き出しますと、以下の通りです。
- 最大ドローダウン
- 平均利益
- 平均損失
- 勝率
- 取引回数
- リスクリターン率
- プロフィットファクター など
システムトレードの世界でよく出るキーワードが、たくさんあります。
すなわち、シストレ24で好成績を収めるには、こういったキーワードについて理解を深めておいた方が良いと分かります。
トライオートFXでも、これらのキーワードを使って分析できます。しかし、取引画面には出てきません。
一方のシストレ24では、全てのストラテジーについて、これらのキーワードと分析結果が表示されています。
なぜ、この違いが出るのでしょうか。
ストラテジーの内容は非公開
シストレ24の場合、ストラテジーの中身は非公開です。
すなわち、「どうなったら取引を開始して、どうなったら決済するか」というルールが不明です。
重要な部分が非公開なので、私たちはどのストラテジーを選べばよいのか、分かりません。分からなければ、トレード自体できなくなります。
そのため、プロフィットファクターなど、トレード成績に関する分析が事細かく公開されています。
私たちは、ストラテジーの中身を見ることはできないけれど、トレード成績を見て選ぶことができます。
どちらのメリットが大きいか
では、トライオートFXとシストレ24では、どちらのメリットが大きいでしょうか。
両方にメリット・デメリットがあるのですが、ここでは敢えてメリットが大きいと思う側を挙げてみます。トライオートFXです。
ゆったり為替は、インヴァスト証券の公式サイトに、ゆったり為替制作のトライオートFX自動売買注文を公開させていただいています。
名称は「永遠の利食い_カナダドル/円」など、2つです。下は、バックテストの様子です。
右端で一気に成績が上がっていますが、大半の部分は取引がなかったと分かります。
トレードで大事なのは、「過去の成績はどうだったか」ではなく、「これからの成績はどうなるか」です。過去の成績とはすなわち、バックテストです。
バックテストがいくら好成績でも、実際のトレードが散々なら、それはダメなトレードです。
ゆったり為替が、トライオートFX自動売買注文を公開させてもらった際、成績は良くありませんでした。そもそも、取引していないからです。
しかし、公開後、成績グラフは順調に推移しています。これができるのはなぜか?ですが、以下の2つが理由です。
- トライオートFXは取引システムが分かりやすい
- 自分で自動売買注文を作れる
すなわち、チャートを読む力があれば、バックテスト成績に関わらず適切な自動売買注文を作れます。
今後も、このような好調な成績を上げ続けるかどうか、それは分かりません。相場次第ということになりますが、少なくとも、この記事を書いた時点では好成績です。
損しても、納得しやすいし改善しやすい
もう一つ、自動売買注文の中身が全部公開されていると、「損しても、納得しやすい」という効果があります。
「取引設定はこうだけれど、相場はあのように動いたから損した」というのが分かりやすいです。
損した理由が分かれば、次は同じことをしないように注意します。
一方、シストレ24のストラテジーは、その中身が公開されていません。よって、損しても「なぜ損したか」が分かりません。
そのストラテジーは、上昇に強くて下落に弱いのか、それとも値動きが大きい相場に弱いのか…といった原因が分かりません。
原因が分からなければ、改善しようと思っても難しいです。モヤモヤとした感情がくすぶってしまいます。
トレードで資産が増え続けている間は良いですが、不都合な状況になった時にどう対応できるか?が、トライオートFXとシストレ24で大きく異なります。
以上の点から、トライオートFXの方がメリットが大きいのでは?と考えています。
トライオートFX