仮想通貨を買って儲けたいとします。では、どの仮想通貨を買いましょうか。
仮想通貨は、プログラミング能力があれば誰でも作れますし、プログラミング能力不要で作れるツールもあります。この結果、仮想通貨情報サイト「CoinMarketCap」が把握しているだけでも、180万種類以上あるようです。
画像引用:CoinMarketCap(特に指定がない場合、以下同じ)
そして、CoinMarketCapで詳細情報を確認できるのは、当記事執筆時点で9,318種類あります。
9,000という数字は、東京証券取引所の上場会社数の2倍以上であり、途方もない数字です。そこで、どのような方法で仮想通貨を選べばよいのか、その方法(例)を解説します。
英語が読めない場合
銘柄選択に入る前に、英語を読めるかどうかを確認したいです。英語が読めない場合、国内取引所以外での仮想通貨取引は大きなリスクを伴います。
実際には、英語がまったくできなくても、いろいろな仮想通貨を楽しめます。X(旧ツイッター)は翻訳機能がありますし、Youtubeには解説動画があふれています。ブログもたくさんあります。
しかし、以下の2点で困ることになります。
正確な情報を得づらい
仮想通貨業界の開発スピードはとても速く、3か月前の情報は陳腐化して使えないことが珍しくありません。Youtubeやブログ等の情報は、掲載直後からどんどん陳腐化していきます。
周囲の人々は最新情報に従って動いているのに、自分だけ古臭い情報に基づいて動くと、損する未来が簡単に見えてしまいます。
また、何か情報を検索しようとすると、日本語の検索に頼ることになります。開発チームはほぼ常に英語で情報を発信するので、適切な情報を得るのがとても難しくなります。
ハッキング等に遭うと詰みやすい
実際には、最新情報が得られなくても何とかなりますし、日本語情報でやっている人も少なくないでしょう。しかし、DeFi(分散型金融)やノンカストディアルウォレットで仮想通貨を保管している最中に、それらががハッキングなどに遭う場合、簡単に資金を失いやすくなります。
ノンカストディアルウォレット
秘密鍵を自分で管理するウォレット。メタマスクが代表例。
ハッキング発生時はスピードが命です。開発チームや各種監査チームの発表をすぐに理解して、行動しなければなりません。こうすることで、多少でも被害を減らせる可能性があります。
また、ハッキングやラグプル(開発チームによる資金持ち逃げ)は日常的であり、まったく珍しくありません。「またか」とさえ思いません。
ツイッターの動向調査
日本人の利用が多いかも?というプロジェクトでハッキング等が発生した場合、ゆったり為替はX(旧ツイッター)の日本語投稿を眺めることがあります。すると、以下の傾向があります。
- 初動で間違い情報が広まりやすい
- 正確な情報を得づらい
ハッカーが行動を終える前に、1分でも早く行動しなければなりません。しかし、できません。知識がある人が情報拡散に努めてくれて、徐々に正確な情報が広まっていきます。
しかし、それでは遅いです。遅いだけでなく初動で間違い情報が広まることがあるので、どうしようもありません。
このため、英語ができないけれど国外の最先端に触れつつ投資したいという場合は、投入資金を捨てる前提で取り組む必要があるでしょう。そして実際にハッキング等で損したら、そういうものだとあきらめることも必要です。
個人的には、英語ができないという理由で最先端に触れないのはもったいないと思います。損してでも触れる価値があると思うものの、おすすめはしません。損した人からクレームが来ても困りますし。
なお、これらの問題を部分的に避けるために、海外取引所で保管するという選択肢があります。ただし、海外取引所で保管すると、別の問題が出てきます。
【記事内リンク】海外取引所で保管する場合の問題点
英語ができない場合の銘柄選択
日本語で済ませたい場合、国内取引所で仮想通貨を買います。国内取引所は日本語で情報を出してくれますし、日本は法規制が世界最高水準に厳しくて安全度が高いです。
この安全度は、FTX騒動を見れば明らかでしょう。2022年、FTXは顧客資産を流用して損失を計上し、経営破綻しました。顧客資産は、いついくら手元に戻るのか分かりません。その一方、日本法人(FTX Japan)の顧客資産は守られており、返金が進められています。
【FTX Japan】当社におけるお客様の資産の管理状況等について(8月28日時点)
取引可能銘柄
日本の取引所で購入可能な銘柄数は、当記事執筆時点で80にもなりません。また、有名どころが80種類あるというわけではなく、世界的には(そして日本でも)無名に近いのでは?という仮想通貨が複数あります。
そこで、これから仮想通貨を買ってみようという場合は、有名どころに限定します。すると、取引対象の銘柄数がさらに少なくなります。
ここでは、選択肢が少なくなるのはデメリットではなく、調べる銘柄数を絞れてメリットだと捉えます。
なお、日本で取引可能な銘柄一覧は、業界団体「日本暗号資産取引業協会」でエクセル形式で公開されています。下の「取扱暗号資産及び暗号資産概要説明書」部分をクリックすると、ダウンロードできます。
画像引用:日本暗号資産取引業協会
銘柄調査
銘柄調査の基本は、ホワイトペーパー(事業目論見書)を読むことです。これを読むと、手抜き銘柄はすぐに分かります。ただし、英語で書いてあることが通常なので、別の方法(例)を紹介します。
チャート
長期チャートを見てビットコインと比較すると、その銘柄の人気度が分かります。下は、ビットコインの長期チャートです。
2017年末に山があり、2021年末にはさらに大きな山があります。そして2022年に下落したものの、2023年に再び盛り返しています。有名どころの仮想通貨はおおむねこの形状になっており、こうなっていない銘柄は要注意です。下は、注意したい例です。
2021年の山が2017年よりも低い
2021年の仮想通貨は大盛り上がりだったのに、2021年高値が2017年高値よりも安い例があります。
こうなっている銘柄を買いたい場合は、なぜそうなったのか?の確認が必要でしょう。確認した結果、今後の上昇を見込めるなら買っても良いですし、将来性がないと思えば見送ります。
2023年の反発がない
2023年の反発がない、またはわずかだという銘柄も注意が必要です。2023年の上昇トレンドに乗れていないならば、何か理由があるはずです。
以上、チャート形状について2点書きました。少なくとも、下の形状になっている銘柄は避けたほうが良いでしょう。
開発チームの活発さ
銘柄選定にあたっては、開発チームの活動ぶりについても確認したいです。開発活動が停滞していたり止まっていたりすると、今後の発展を期待しづらいです。
確認方法として簡単なのは、X(旧ツイッター)やディスコード(discord)です。活動が活発ならば、開発チームの投稿がたくさんあります。
資金調達
これは、比較的新しい仮想通貨プロジェクト限定の話になります。仮想通貨プロジェクトは年々規模が大きくなっており、直近ではファンドからの集金額勝負になっている面があります。
そこで、自分が買いたいプロジェクトはファンドからいくら調達できているか、検索してみます。資金調達できている場合、ファンドはそのプロジェクトの将来性を評価しているという意味になります。
プロジェクトが破綻すれば、ファンドは損してしまいます。損よりも利益になる確率が高いと判断するからこそ、ファンドは資金を投入します。そういう銘柄を探します。
自分が買いたい銘柄の開発チームがファンドから資金調達していない場合は、資金調達が不要だからしていないのか、それとも調達できなかったのかを考えます。
いつ買うか
購入候補の銘柄を決めたら、いつ買うかを決めます。
仮想通貨は、価格が上昇するときも下落するときも、多くの銘柄が一斉に同じ方向に動く傾向があります。そこで、全銘柄が上昇しだすころに買うという方法があります。
中には、他の銘柄の動きが乏しい中、特定の銘柄だけ何倍にもなるという場合もあります。そこで、全体だけでなく個別銘柄でも買い時を考えます。
英語ができる場合の銘柄選択
英語情報を理解できる場合は、選択肢が大きく広がります。
取引可能銘柄数
英語ができる場合は、取引可能銘柄を限定する必要はありません。
開発チームから英語での情報提供がない場合、それは英語圏ユーザーを排除しているという意味です。プロジェクトの広がりが限定的で価格上昇力も限られますので、購入候補から外すことになります。
銘柄調査
銘柄調査は、上の章「英語ができない場合の銘柄選択」の内容に加えて、下の諸点があります。
ホワイトペーパー(事業目論見書)
ホワイトペーパーを読むと、開発チームの本気度が伝わってきます。
中には、他のプロジェクトのコピペで済ませているものや、スカスカで中身が薄いものが珍しくありません。開発チームが稼げればOK(ユーザーのことは知らない)という雰囲気が伝わってくるので、自分のお金を投入したいとは思わないでしょう。
その一方、やる気に満ちているホワイトペーパーの場合、現在の業界の問題点や解決方法、そして将来のプランなどが細かく書いてあります。
自分の資金を投入するなら、このようなプロジェクトにしたいです。なお、どれだけ気合が入って素晴らしいプランでも、成功できない例は数多くあります。それは仕方がないことです。
コミュニティの活発さ
オープンソース型で誰でも意見できるプロジェクトの場合、コミュニティが活発に提案や意見交換をしています。この熱量も、投資判断の一つになります。
どれだけ素晴らしいプロジェクトであっても、使う人がいないと価値が出ません。ユーザーや知識ある人が活発に活動していると、将来性を期待できます。
事業分野
また、事業分野も重要でしょう。例えば、Play to Earn(遊んで稼ぐ)分野は致命的な欠陥があって価格が上昇しづらく、暴落した銘柄ばかりが目立ちます。
この分野の銘柄に自己資金を投入したい場合は、この致命的な欠陥を回避できるかどうかを考えます。
また、有望な分野の場合、競合プロジェクトがいくつもあるのが通常です。競合プロジェクトと比較して、買うべき仮想通貨はどれかを決めます。
海外取引所
銘柄を限定しない場合、海外取引所の利用が選択肢になるかもしれません。海外取引所は国内取引所よりもサービスが充実している一方、注意点があります。
違法業者である
金融庁に登録せず日本居住者にサービスを提供していれば、その取引所は違法業者です。海外取引所は全て違法業者であり、実質的な本社所在地さえ不明なことが少なくありません。
安全だと言える指標が見つからない
「〇〇国でライセンスを取得」と書いてあっても、資産の安全性指標としては何の価値もないという例が目立ちます。
PoR(プルーフ・オブ・リザーブ)は意味がない
一時期、海外取引所の安全を示す指標として、PoR(プルーフ・オブ・リザーブ)が注目されました。ないよりはあったほうがマシという内容で、安全性を示す指標としては全く使えません。
結論としては、FTXの事例がもう一度起きても不思議はなく、海外取引所を使う場合は、預けた資産が全てなくなってもOKという姿勢が必要でしょう。
銘柄を決められない場合
銘柄についていろいろ調べた結果、どうしても候補銘柄を決められないとしましょう。この場合は、ビットコインとイーサリアムを買っておけばOKだと考えています。
ビットコインとイーサリアムは、仮想通貨業界で世界最大級のコミュニティを有しています。また、ビットコインの名前は、仮想通貨に関心がない人でも知っているほど知名度が高いです。
その他、これらは大半の取引所で売買可能で流動性が抜群に高く、開発チームによる資金持ち逃げの心配もありません(そもそも、できません)。
このため、ビットコインとイーサリアムは入門銘柄として最適だと言えます。
タダでビットコインが欲しい
仮想通貨の場合、株式やFXなどと違って、無料で仮想通貨をもらえる例が少なくありません。フォーセット(faucet)といい、日本語で蛇口という意味です。蛇口から水滴がポタポタと落ちるように、仮想通貨をいただきます。
もらえる数量はわずかですが、塵も積もれば山となる、です。ゆったり為替は2016年くらいから延々ともらい続けており、合計で結構な額になっているはずです。
稼ごうとせず、気づいたら何となく貯まっている。そんな感じから仮想通貨に触れるのも良いでしょう。下のリンク「FreeBitcoin」はフォーセットの老舗です。
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