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仮想通貨(暗号資産)

Zaif「自動売買おてがるトレード」の特徴と仕組み

2023年1月7日

ありがたいことに仮想通貨取引所Zaifから声をかけていただき、自動売買おてがるトレードを眺める機会に恵まれました。そこで、このトレードツールの特徴等を紹介します。

自動売買おてがるトレードとは

自動売買おてがるトレードはリピート系注文の一種です。

リピート系注文の思想は少なくとも20年くらいの歴史があり、この間、さまざまなリピート系FXが出現しては消えていきました。自動売買おてがるトレードは仮想通貨用にカスタマイズしたと見受けられ、従来と異なる独自性を持っています。

なお、本題に入る前にご案内すべき点が1つあります。それは、商品名は自動売買おてがるトレードですが、Zaifは簡単に儲かるとは言っていないという点です。おてがるなのは操作であり、成功のためには学習が必要です。

自動売買おてがるトレードの仕組み

自動売買おてがるトレード

画像引用:Zaif

Zaif公式による解説図は上の通りで、FX界隈でお馴染みの絵です。価格が下落したら買って上昇したら利食いし、これをひたすら繰り返します。

よって、考え方自体は難しくないのでサービスの解説に移っても良いのですが、先に、仮想通貨でリピート系注文は有効なのかどうか考察します。有効ならば自動売買おてがるトレードの利用を検討できますし、難しいならば商品がどれだけ素晴らしくても使い道がありません。

そこで、仮想通貨の値動きの特徴を確認します。

仮想通貨の値動きの特徴

仮想通貨の値動きの一般的な特徴として、「ビットコイン価格が上昇したら全体も上昇し、下落したら全体も下落」という点があります。また、破綻プロジェクトの仮想通貨などについては、価格がひたすら下落するという特徴もあります。

ここでは、ビットコインのチャートを例に考察します。

ビットコインの長期チャート

ビットコインのチャート

画像引用:CoinMarketCap

上のチャートの通り、ビットコイン価格は上下動がとても大きいです。2013年には1万円だったのに2021年には760万円を超え、そして2023年1月には220万円という急落ぶりです。

上のチャートを見る限り、上昇トレンドでは買って保有するだけで大きく利食いできますし、下落相場では売りポジションを持つか相場から離れておけばOKです。わざわざリピート系注文を使う理由がありません。

よって、仮想通貨でリピート系注文を適切に利用するには、何らかの条件が必要だと分かります。

豪ドル円の長期チャート

比較のために、豪ドル円の長期チャートを確認します。

豪ドル円のチャート

画像引用:FXプライムbyGMO

上のチャートは30年という大変な長期間を表示しているものの、ビットコインと比較して値動きがとても小さいです。最安値は55円くらいで最高値は108円くらいですから、差は2倍くらいしかありません。

しかも、為替レートは同じ範囲で大きく上下動していますから、リピート系注文に最適な値動きです。

仮想通貨でリピート系注文

しかし、特定の状況においては、仮想通貨でもリピート系注文で利食いを繰り返せるでしょう。具体的には、下の赤枠の部分です。

ビットコインのチャート

画像引用:CoinMarketCap

高騰中や急落中はリピート系注文が向かないのですから、そこを外して取引すれば良いということです。

2023年の相場はどうなるのか、だれにも分かりません。しかし、2022年の下落幅と同額だけ下落するとビットコイン価格はマイナスになってしまいますから、下落するとしても2022年より緩やかになるのは確実です。

また、過去の値動きが今回も同様に繰り返されるならば、そろそろ底値のレンジ相場に移行すると予想できます。そこで、リピート系注文で繰り返し利食いを狙う選択肢を検討できます。

低迷する仮想通貨も狙い目

「リピート系注文をするなら、暴騰中や暴落中を避けて底値のレンジで」…これを採用する場合、価格が低迷している仮想通貨も狙い目になります。

価格が低迷する理由はいくつかあります。例えば、開発が終了して発展見込みがない、開発が軌道に乗っていないなど、一般的にはマイナス要素が原因でしょう。ところが、リピート系注文にとってはメリットになります。

安値でレンジを形成している銘柄を狙って、リピート系注文でひたすら利食いします。

利食いを繰り返せば、最終的に大暴落して損切りで終わったとしても、損益を合計するとプラスにできます。最終的に価格が大幅上昇しなくてもかまわないのです。これがリピート系注文のメリットであり、価格が低迷する仮想通貨に光を当ててくれます。

取引例

  • 100円で買って200円で売るのを10回繰り返す:利益1,000円
  • その後、仮想通貨が暴落して0円に:損失100円
  • 損益合計:900円のプラス

その仮想通貨が何らかの理由で暴騰する場合には、何も問題ありません。何百回も利食いしてトレード完了となり、大満足です。

以上の考察の結論として、リピート系注文は仮想通貨でも有効に機能しうるといえます。

自動売買おてがるトレードの特徴

以下、自動売買おてがるトレードの特徴を紹介します。

APIキー

仮想通貨だから当然だといえばそうなのですが、APIキーを使います。APIキーの管理は極めて重要で、基本的な知識がないままの利用は厳に慎むべきです。

よって少々面倒でも、APIキーとは何か、利用に際しての注意点、APIキーの取り扱いが原因で資産が失われた例をあらかじめ知っておきましょう。

現物取引

Zaifには複数の取引サービスがあり、自動売買おてがるトレードは orderbook trading すなわち板取引を使います。板取引の信用取引は休止中ですので、現物取引での取り扱いです。

注文は1つずつ

トラリピ、ループイフダン、トライオートFX。いずれも、1回の操作で多数の注文を同時発注できます。しかし、自動売買おてがるトレードは1回の発注で1つの注文のみ可能です。

よって、数多くの注文を出したい場合は、発注作業を何度も繰り返すことになります。これは大きなデメリットであり、改善をお願いしたい部分です。

取引価格の指定方法

リピート系FXの場合、ユーザーが特定の売買レートを指定できますが、自動売買おてがるトレードでは指定できません。

発注方法

取引開始時刻の直前の取引価格を基準価格として、基準価格から何%下落したら買うか、そして、買ってから何%上昇したら売却するかを指定します。

FXの場合、メジャー通貨ペアならば無限とも思える流動性がある一方、自動売買おてがるトレードはZaifの板取引を使用しますので、流動性に限りがあります。

この取引で価格指定が可能になると、キリの良い価格帯に注文が集中して板が歪むと想定でき、これを避けるための措置と予想できます。慣れるまでは少々戸惑うかもしれません。

歪み大歓迎

ちなみに、ゆったり為替の考察では、板の歪みは大歓迎です。板が歪むと他の取引所と違いが生まれる一方、多数の他社での注文数量合計はZaif単独よりも圧倒的に大きくなりますから、Zaifでの値動きは最終的に他社と同一になります。

ここにトレードチャンスがあります。短期トレーダーが大勢集まってくると予想できますので、結果として流動性が豊富になって自動売買おてがるトレードのユーザーにとってもメリットになると予想しています。

ただし、Zaifだけで上場している銘柄またはそれに近い銘柄の場合は、板の歪みがそのまま維持されてしまう可能性があります。このあたりが少々難しいです。

約定方法

基準価格から特定の割合で下落したら現物で買うという方法に加えて、一般的なリピート系FXと異なる点があります。

24時間後の基準価格の設定方法

基準価格は24時間ごとに新規に設定されます。すでに仮想通貨を購入している場合は、売値の価格が維持されます。

基準価格(例)

ビットコインの基準価格が200万円で、20%下落したら買う注文を出したとします。すなわち、160万円で買います。しかし、発注後24時間の安値は170万円であり約定しませんでした。このため、注文はキャンセルされました。

例1:
24時間後の基準価格が180万円の場合、そこから20%下落した価格すなわち144万円で改めて発注されます。

例2:
24時間後の基準価格が250万円の場合、そこから20%下落した価格すなわち200万円で改めて発注されます。

自動売買おてがるトレードは長期運用を謳っていますが、放置で長期運用すると大変な目にあう可能性があります。発注したら翌日以降毎日、現在値や約定状況等を必ず確認してください。

厳しい例1:

何日経過しても約定しないで上の例1の状況が繰り返される場合、実際の約定価格は大変な安値になる可能性があります。

安く買えるならいいじゃないかともいえる一方、そこまで安くなるなら話が違うから買わないという選択肢もあるはずです。

厳しい例2:

何日経過しても約定しないで上の例2の状況が繰り返される場合、実際の約定価格は大変な高値になる可能性があります。

160万円で買うはずが実際には250万円で買ってしまったなどという場合、びっくりすることでしょう。

繰り返しになりますが、発注したら約定状況等を毎日必ず確認してください。

20%の下落まで注文可

基準価格から何%下落したら買うかという設定において、最大値は20%となっています。20%ではフラッシュクラッシュ等を狙った長期運用ができず、自由度がやや限定的になります。

フラッシュクラッシュ等を狙いたい場合は、通常の取引で実行します。

税金に注意

また、税金にも注意が必要です。自動売買おてがるトレードは現物取引ですから、FXと税制が異なります。

税制の差

  • FX:分離課税
  • 仮想通貨現物:総合課税

仮想通貨の現物取引では、総平均法または移動平均法を使ったうえで、総合課税が適用されます。

総平均法

例えば、ビットコインを1BTC=700万円で1BTC買ったとします。その後100万円に急落し、そこで1BTC買って200万円で1BTC売却したとします。100万円で買った1BTCを売った場合、FXと同じ方式なら利益は100万円でそれに対して課税されます。

仮想通貨の現物の場合、取得価格は平均値になりますから400万円となり、200万円で売ったので売却損が200万円発生したという計算になります。

よって、自動売買おてがるトレードで利食いをたくさん繰り返した結果、確定申告ではなぜか損失計上という例があり得ます。

ただし、最終的にすべて利食いに成功する場合、利食い額合計はどちらも同額です。計算方法次第で途中経過の見方が変わってくるだけですが、利益額によっては納税額に多寡が出ますので注意が必要です。

少額取引の場合は、さほど気にする問題ではなさそうに見えます。

百分率で指定する方法は歓迎

今回の記事は自動売買おてがるトレードに対して警戒感がやや強めの構成ですが、歓迎したい項目があります。それは、購入価格を百分率(%)で指定する方法です。

一定値幅だけ下落したら買う場合

一般的に、リピート系FXでは特定の値幅ごとに買い注文や売り注文を発注します。下は50銭円高になるたびに買う例です。

FXでの注文例

99.50円で買い
99.00円で買い
98.50円で買い



89.50円で買い
89.00円で買い

これを値動きの範囲が巨大な仮想通貨で実行すると、価格下落時に厳しい事態になるかもしれません。少々極端な例を下に示します。

仮想通貨での注文例

10,000円で買い
9,000円で買い
8,000円で買い



2,000円で買い
1,000円で買い

仮想通貨の値動きはとても大きく、1日で10%動いても不思議な感じはしません。よって、価格が10,000円の時に10%下がったら買う、すなわち9,000円で買う注文にしたとします。そして、価格が10%上昇したら売却して利食いです。

このときの価格差は1,000円ですから、以下1,000円下がったら繰り返し買う設定にしています。

すると、仮想通貨価格が2,000円まで下がった時、次の購入価格は1,000円ですから50%下落しなければなりません。同様に、2,000円で買った仮想通貨を利食いするには50%の上昇が必要になります。

実際に2,000円まで下がってしまった場合、高値でたくさん買っているから含み損が巨大だし、利食いしようにも大幅な価格上昇が必要で利食いしないし、踏んだり蹴ったりになります。

一定割合下落したら買う場合

この問題は、百分率の導入で解決します。下の注文例は、価格が10%下落するごとに買うという指定です。

仮想通貨での注文例

10,000円で買い
9,000円で買い
8,100円で買い
7,290円で買い
6,561円で買い



1,350円で買い
1,215円で買い
1,094円で買い

仮想通貨価格が下落すると、注文と注文の間の差額が徐々に狭くなっていきます。このため、価格が下落しても約定頻度を高く保てます。

また、9,001円~10,000円の範囲での注文数は1本であるのに対し、2,001円~3,000円の範囲での注文数は4本となります。すなわち、低価格帯で数多く買いますので、仮想通貨価格が暴落する際の平均購入価格を低く抑えることができます。

ただし、1,000円下落するごとに買う場合に比べて注文数が多くなりますから、注文1つあたりの買い数量を小さくして、購入総数が多くなりすぎないように調整します。

なお、この一定割合が下落したら買うという方法は、自動売買おてがるトレードでの実行は難しく、手動のほうが確実です。今後のバージョンアップに期待します。

長期運用か短期運用か

Zaif公式は自動売買おてがるトレードを長期トレード向けとしている一方、ゆったり為替の視点で考えると、長期向けという表現はユーザーに誤認させる可能性を感じます。日々のメンテナンスが必要であり、一般的にイメージする長期運用とは大きく異なります。

正確に書くならば、「短期運用のルーティーンを繰り返した結果、長期運用的になる」でしょうか。この部分につき、Zaif公式のウェビナーでの発言を修正させていただきます。

ただし、短期・長期の定義は不明確で、何をもって長期とみなすかという問題があります。スキャルピングだと1時間は超長期である一方、月足トレードだと1週間でも超短期になります。ここでは、長期とは概ね数か月以上、短期はそれ未満とします。

長期運用の場合

長期運用の場合、1つの注文だけで延々と約定させるには運が必要です。例えば、期待通りに買えるかわかりませんし、買えても売却予定の設定価格まで上昇しなければ、塩漬けになります。

よって、塩漬け模様を確認したら、第2弾の注文を投入します。こうして第3弾、第4弾…と注文を設定していくと、レンジ相場ならば繰り返し利食いしてくれるでしょう。

注意点としては、むやみにこれを実行すると、狭い価格帯に多数の注文が発注される可能性があることです。その結果、ドカンと急落する際に含み損が一気に増えることになります。よって、エクセル等での管理が必要です。

エクセルで管理するとは、以下の意味を含みます。

管理内容

  • 事前に、いくらで何通貨買うか決定する。総予算等も決定。
  • 価格指定での買いはできないので、何%の下落で買うべきかエクセルで毎回計算。
  • 実際に取引したら、その記録をエクセルで管理。
  • 利食いや塩漬け状態を把握。
  • 塩漬け仮想通貨の処遇につき、あらかじめ決めたルールに基づき実行。
  • 利食い額の蓄積状況によっては、税金対策も実行。

結果を運任せにしたくない場合は、これらの管理が必須だと感じます。

含み損の扱い

このタイプの長期運用をする場合は、含み損は無視でひたすら利食いするのが選択肢となります。

どこか特定の価格まで下落したら損切りするのもアリですが、仮想通貨は1日で10%以上下落しても驚きはないうえに、自動売買おてがるトレードは逆指値注文ができません。すなわち、想定の損切り価格よりも大幅に下落してしまい、巨大な損失で終わる可能性もあります。

よって、ゆったり為替なら仮想通貨価格が0円になっても構わないという想定でトレードします。すなわち、損切りしないで安値圏のレンジで取引します。

損切りするなというのは、Zaif公式も半ば認めています。まず1つ目に、自動売買で損切り注文を設定できません。すなわち、いつまでもトレードしてほしい(損切りは手動でよろしく)ということです。

2つ目に、公式サイトの解説でバックテスト成績の優秀さが書いてあり、バックテスト期間を見ますと2021年12月31日までです。すなわち、仮想通貨価格が調子よく推移していた期間です。

その後の値動きは…?そして、超下落したらどうする?そこについての言及はありません。調子が悪くなったら撤退というのは、言葉で書くのは簡単ですが実行は至難の業です。

そこで、含み損が大きくなったところで損切りするか、あるいは次の上昇トレンドを待つことになります。

ちなみに、調子よく利食いを繰り返した場合は利食い額が積みあがっており、最終的に損切りしてもトータルでプラスの成績にできます。これが、リピート系注文のメリットです。

リスク緩和

自動売買おてがるトレードでは多数の注文を一度に発注できず、これは改善できると思う一方、この煩雑さが有利に働く場面もあります。大暴落するときです。

仮想通貨は値動きが大きく、大暴落が起きることもあります。リピート系FXのように多数の注文をあらかじめ発注していたら、それらの買い注文が全部約定する一方で、何年も売れずに塩漬けになる可能性があります。

手動で1つ1つ注文する方式なら、このリスクを緩和できます。「この価格帯ならOKだな」と確認したうえで1つずつ発注するのです。これを面倒と思うか、それとも安全を確保できるから素晴らしいと思うか。それは人それぞれですが、安全を確保するための手段にできます。

いずれにしても、長期運用するには日々のメンテナンスが必要であり、放置でOKという性質ではありません。

短期運用できるか

次に、短期運用だったらどうかを考察しますと、短期運用はとても難しいと感じます。

最大の理由は、損切り注文を発注できないからです。損切り注文のない短期運用では、致命的な痛手を負う可能性があります。1トレードで致命的な損失リスクがある状態で小さな利食いを狙うか?と考えると、少なくともゆったり為替にはできません。

また、短期運用できるとはすなわち、相場を読めるという意味でもあります。相場を読めるなら、裁量トレードのほうが断然有利であり、自由が制限された自動売買を使う理由が見当たりません。

よって、自動売買おてがるトレードでの短期運用はとても難しいと感じます。

価格低迷期のレンジで効果

以上、Zaif公式に呼んでもらったのに正直な文章を掲載するという、ゆったり為替らしい考察となりました。

自動売買おてがるトレードは名前の通り簡単に取引できるけれど、簡単に稼げるわけではありません。運任せでない成功を収めたかったら事前のルール策定が必須で、それに沿って行動することが大切です。

諸々のデメリットは、仮想通貨価格が低迷かつレンジになるときに取引すれば、目立たないようにすることも可能です。すなわち、2023年以降しばらく、このトレード手法が活躍するかもしれません。

【公式】自動売買おてがるトレード

【オープン】岡三オンライン証券【くりっく株365】

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