FXで勝つ人と負ける人

FXの難易度を実証データで確認

FXで資産を増やすのは難しいということは、既に周知の事実になっていることでしょう。しかし、安定的に資産を増やしている人はいますし、実際のところは良く分かりません。

時折、FX業者が顧客成績を公開することがありますが、それは恣意的に選んだ特定期間の成績ですから、その数字を鵜呑みにすることはできません。そこで、今回はフランスの金融庁が公開した分析データを紹介します。

フランス金融庁が怒りの(?)レポート公開

2014年10月13日、フランス金融庁はフランス国内の個人投資家のCFDとFXの成績の分析結果を公開しました。その理由は報告書の冒頭に書いてあり、「CFDとFXで取引した顧客の苦情が多く、損失額もあまりに大きいため、個人投資家の実際の成績を定量分析した」とあります。

FXで負けるのは日本人だけでなく、フランスでも同様、さらにいえば世界共通なのだろうと予想できます。

さらに、冒頭に結論が書いてあり、「この調査の結果、CFDとFXは極めてリスクが高いと確認できた。すなわち、圧倒的大多数の個人投資家に不適切な金融商品である」という趣旨で断定的に書いています。

なお、この報告書のタイトルは「Study of investment performance of individuals trading in CFDs and forex in France」で、既にフランス金融庁のホームページから削除されています。しかし、コピーが出回っていますので、確認したい方はタイトルをコピペして検索してください。

ちなみに、フランス金融庁がこの報告書を掲載したウェブページには、利益額についてもあれこれ書いてあったと記憶しています。そのページは既に削除され、報告書では損失に焦点が当たっていて利益額が書いてないので、利益と損失の比較ができません。

そこで、当時のホームページを見て書いた記事のリンクも貼りますので、興味がありましたらご覧ください。この記事では、リンク先に掲載した数字も利用して話を進めます。

【リンク】FXで負ける・損する個人投資家の割合

調査方法

お役所自ら調査してくれた結果なので、分析結果の信頼度が高いと想定できます。そして、肝心の調査方法ですが、調査対象はフランスで合法に営業している業者です。無許可営業で顧客を食い物にしている業者を含めたら、数字はさらに悲惨になっていたかもしれません。

そして、2009年~2012年の4年間の顧客取引データを回収して分析しています。2009年のデータを提出できない業者については2010年~2013年としており、短期間のデータでないので信頼度が高いです。

短期間の調査だったら、その期間はたまたま上昇トレンドで一般個人投資家が勝ちやすい環境だったというのがあり得ますが、4年間なら上昇・下落・レンジ・波乱などいろいろな相場を含んでいて正確な分析ができたでしょう。

調査結果

損益について、割合と金額の両方で確認します。

損失を計上した顧客の割合

1年ごとの損益から確認しましょう。1年間取引してトレード成績がマイナスになった顧客割合です。

損失を計上した顧客の割合
2009 84.2%
2010 84.2%
2011 83.8%
2012 84.2%
2013 83.3%
通算 89.4%

年ごとの成績を見ますと、83%~84%の顧客が損していることが分かります。個別業者別に見ると75%~89%と幅があるものの、多くの顧客が損しているという事実に変わりはありません。

また、4年間の通算成績を見ますと、89.4%の顧客が損しています。すなわち、プラスになったのは全体の10.6%です。さらに、通算成績は各年の損失割合よりも大きな数字になっていますから、ある年に稼いだけれど別の年にそれ以上に大きく損した例があったことが分かります。

下は、顧客成績をグラフ化したものです。

顧客損益グラフ

数字が細かいのでざっくりと見ていただければOKです。横軸は損益額で、青の棒グラフはその損益を実現した人数が示されています。赤の線は、グラフ左側から順に人数を合計していったものです。

グラフ内やや右あたりで、棒グラフがとても大きな数字を示しています。これは損益ゼロ近辺を示しており、大半の個人投資家は少額で取引したのだろうと予想できます。

すなわち、負ける人の割合は89.4%すなわち勝つ割合は10.6%といっても、その大半はゼロ近辺でのプラスであり、本当に稼いでいる人は極めてわずかだと分かります。

その一方、負けた人数はロングテール状に大勢いて、さらに、グラフの一番左にも大きな棒グラフが伸びています。これは5万ユーロ以上損した人を示しており、大変な人数になっているようです。この結果、平均損失額は1万ユーロ以上になっています。

比較のためにグラフの一番右側、すなわち大儲けした人の人数を見ますと、2万4,000ユーロ以上儲けた人はわずかしかいません。2万4,000ユーロでなくて5万ユーロにして損失と比較できるようにしたら、この人数はさらに大幅に減っていただろうと予想できます。

利益額と損失額

報告書内には利益額等についての言及がありませんが、報告書掲載当時のフランス金融庁ホームページには記述がありました。

  • 損になった人数 : 13,224人
  • 損失額合計 : 2億2千万ドル
  • 利益を得た人数 : 1,575人
  • 利益額合計 : 1,751万ドル

(報告書はユーロ建てですが、確かホームページではドル建て表記で、「あれ?」と思って何度か見直した気がします。よって、ドルは誤記でありません。)

4年間の調査の割には人数が少なく、日本だったら桁が大きくなると思います。調査対象となった業者の合計シェアはフランス全体の過半数であり、フランスでは日本ほどFXやCFDが盛んでない様子が分かります。

そして特筆すべきは、損失額合計と利益額合計の差です。圧倒的に負けが大きいです。

FXの場合、勝った人が負けた人からお金を回収するという構図ですから、利益額合計と損失額合計は似たような数字になるはずです。10倍の差というのは、誤差で片づけるには巨大すぎます。

この原因については、当時掲載されていたホームページに書いてなかったと記憶しているものの、調査対象が個人投資家だったからだろうと推測しています。

すなわち、この調査には機関投資家などプロ集団が含まれていないようです。プロ集団が個人投資家からお金を根こそぎ回収した結果、この差が生まれたと予想しています。

損益に影響を与えた要因

個人投資家が圧倒的に負ける原因について、報告書ではいくつが考察しています。

手数料

まず、取引手数料等、業者が顧客から回収するお金です。業者はボランティアではありませんから、顧客から手数料をもらっています。日本のFXの場合、手数料相当額はスプレッドに含まれていて、明示的に手数料を取る例はわずかでしょう。

フランス金融庁の分析の結果、顧客の損失の14.2%は手数料で説明できると分かりました。トレードで勝つ人も負ける人も手数料は支払っているわけで、すなわち、負ける人ほどトレード回数が多いと予想できます。

トレード期間

トレードする期間が長くなれば経験値が高まるので、トレード成績が良くなるかもしれません。そこで、2009年から2012年まで毎年トレードした顧客1,881名について、取引期間と成績を調査しました。

期間 損失割合 平均損失額
2009年のみ 82.51% △4,989ユーロ
2009年~2010年 85.49% △10,183ユーロ
2009年~2011年 85.06% △16,386ユーロ
2009年~2012年 87.56% △26,745ユーロ

この表から分かるのは、長い年月取引したからといってトレードが上手になるわけではない、ということです。負ける人は、いつまでたっても負け続けます。

取引回数や取引金額

取引回数や取引金額と損益の関係についても、調査が行われました。その結果…

  • 取引回数が多いほど損している
  • 1回当たりの取引金額が大きいほど損している
  • 取引総額が大きいほど損している

大多数の顧客が損しているのだから、これはごく自然な結果です。

注目できそうなのは、一番上にある「取引回数が多いほど損している」です。相場で勝てる人は、自分の形になった時にしか売買しませんから、取引回数が少ない傾向にあるようです。勝てない人は、とりあえずトレードしたがるでしょうから、取引回数が増えます。

フランス金融庁の結論

これだけボロボロに損すると、どうしようもないという結論になります。このため、報告書冒頭で「圧倒的大多数の個人投資家にとって高リスクで不適切だ」と書かれてしまっても仕方ありません。

さらに、これは合法に活動している業者分の集計にすぎません。非合法業者が顧客から回収した金額や、詐欺師が言葉巧みに盗み取った被害額は含まれません。

日本では、これほど踏み込んだ調査結果が出ることはなさそうです。FXは勝てないと思いつつも確たるデータがなくてモヤモヤしていた場合、このデータは強力な援軍となるでしょう。

ゆったり為替の考察

以上で記事を終わりにすると、救いようがなくて目の前が真っ暗になってしまいます。そこで、この厳しい相場の世界で生き残るにはどうすべきか?を考察します。

フランス金融庁の報告書では、個人投資家で大勝ちする人はわずかです。そして先日、FX忘年会に参加させていただいたところ、スキャルピングやデイトレードで鬼勝ちする人々が何人も参加していました。

すなわち、個人投資家でしっかり勝っているのはこのような人々であり、一般の人ではありません。上のデータから本物のトレーダーを除いて集計すると、その数字は絶望的になると予想できます。

では、一般個人がFXで勝つのは不可能でしょうか。

何となく取引して勝てるはずがない

相場の前提として、儲かる人は損する人からお金を回収しているという点があります。これは仮想通貨等でも同じです。すなわち、大勝ちする人がいれば、必ず同額だけ負ける集団がいます。

そして、取引すれば業者が手数料を回収していきますから、負ける人はその分も負けます。

さらに、相場の世界は無差別級です。スポーツでいえば、サッカーのような小学生の部、中学生の部…(略)…J2、J1なんて区別はありません。全員、いきなりワールドカップに放り込まれます。

「今日からFXを始めます~よろしくお願いします!」という人も、いきなりネイマールやメッシと戦います。ただ、超敏腕トレーダーの存在は見えませんから、実感がありません。そして、うっかり大勝ちすることもあり、ここに罠があります。

ゆったり為替はワールドカップの最前線で戦うのを諦め、サイドラインぎりぎりで気配を消しながら生き残る道を採用しました。

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ゆったり為替の場合は、長期トレードに活路を見出しました。日足もできますが、チャートのチェックが面倒くさいので何年も継続するのが難しいです。放置で勝手に儲かるのが最高です。

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日足なら、鹿子木健(かなこぎ・けん)さんの勝ちパターンがイチオシです。ゆったり為替の考え方と似ていて、私でも資金を増やせると想定できます(自分でもできると確信できないと、イチオシは難しい)。

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