GMOコインにテゾス(XTZ)を預けると、自動的にステーキングしてくれるサービスが始まりました。
すなわち、保有するだけでテゾスを定期的にもらえますので、とてもうれしいです。
テゾスのステーキングとは
ステーキングとは、各種情報が詰まったブロックを作るプロセスの一つで、報酬として仮想通貨(テゾス)をもらえます。
これはビットコインのマイニングに相当しますが、資金力のある機関投資家等がビットコインに集まっているため、一般個人がビットコインで効果的にマイニングするのは無理な情勢です。
テゾス(XTZ)の場合はビットコインと方式が異なるため、わずかな数量しか保有していない個人でも報酬をもらえます。
簡潔に仕組みを書きますと、以下の通りです。
私たちは、左下の「一般保有者」です。右下にある「ベイカー」に、ブロックを作る権限を委任(delegate)します。
ベイカーは、自分自身が保有しているテゾスと併せてブロックを生成し、成功報酬としてテゾスをもらいます(新規配分と、送金手数料の合計)。
そして、委任した大きさに比例して、成功報酬を一般保有者に分配します。
この委任ですが、テゾスをベイカーに送付する必要はありません。手元で保管したまま、ブロックを作る権限だけ委任します。
(よって、効果的にbakeするために送金してください、という依頼があれば、それは詐欺です。)
報酬の大きさ
報酬の大きさは変動制で固定されていませんが、年率で5.5%前後になるのでは?と見込まれています。
なお、上の図から予想できますが、より大きな報酬をもらうにはベイカーになるのが最良です。ベイカーの報酬内訳は、以下の通りです。
- ブロック作成報酬
- 送金手数料
- 委任手数料
すなわち、委任手数料の分だけ、一般保有者よりも収入が大きいです(一般保有者が、委任手数料を支払います)。しかし、専門知識が必要ですから、一般的には委任するのが現実的です。
ちなみに、委任する場合、手数料控除後の残額を受け取りますので、手数料を別途支払う必要はありません。
テゾスの長期保有の可否
ここで、テゾスを長期保有して委任し、報酬を受け続ける価値があるか?について考察します。ここでは、3つのポイントについて考察します。
総発行枚数
ビットコインの場合、総発行枚数は2,100万枚と決まっています。プログラムを変更すれば上限を変えられますが、利害関係者の多くから賛成を得るのは難しいでしょうから、事実上変更できません。
さらに、秘密鍵をなくしてしまったり、亡くなった人が遺族に適切に相続しなかったりで、利用可能なビットコイン総量は徐々に減っていくと予想できます。
この視点から言えば、ビットコインを保有しているだけで、希少価値が上昇していきます。
一方、テゾスの場合は、総発行枚数に上限が定められておらず、年率3.6%のインフレーションになるように設定されています。
よって、持つだけで希少価値が増していくビットコインとは異なりますが、インフレーションよりも大きな報酬をもらえますので、委任していれば、実質的な資産も増加していきます。
とはいえ、総発行枚数の話は、テゾスの長期保有を考える上では脇役です。
相場価格
総発行枚数は年率で考えていますから、とても長期的な話です。それよりも直接的に影響するのは、相場価格の変動です。数%程度の価格変動は、1日で簡単に実現します。
そこで、チャートを確認します(CoinMarketCapから引用)。
2018年に発行されましたから、それ以降のチャートになります。
ざっくりと眺めますと、発行直後に価格の急落を確認できますが、その後はジワジワと上昇している様子が分かります。
また、価格が急落する場面が何回かありましたが、底値が堅い(=安値が右肩上がりになっている)ので、印象が良いです。2021年初めに、公開後高値を更新したことが分かります。
将来の価格を確定的に見通すことは困難ですが、比較的安心感を持ってチャートを眺められると言えそうです。
取引所
次に、テゾスを取り扱っている取引所の数を確認します。
と言いますのは、仮に1社だけで取引可能な場合、その1社が取扱いを停止したら事実上取引不可能となり、価格が暴落するからです。
逆に、数多くの取引所で売買可能なら、それだけユーザーの支持を得ているという証拠にもなりますので、安心感があります。
チャートと同じくCoinMarketCapで確認しますと、数多くあります。例を挙げますと、以下の通りです。
テゾスを取扱っている取引所
- Binance
- OKEx
- VCC Exchange
- Upbit
- HuobiGlobal
- Kraken
- Bitthumb
- Coinbase など
上は、CoinMarketCapに掲載されていたものを上から順に抜き出したものですが、有名な取引所がいくつも含まれていることが分かります。すなわち、安心感があります。
ちなみに、日本ではGMOコインとビットフライヤーで取引可能ですが、取引所でなく販売所ですので、表に掲載されていません。
以上、総発行枚数、チャート形状、取引所の3つで考察しましたが、結論としては、長期保有する選択肢に入れられます。あとは、将来性をじっくりと考えて、買うかどうかを決めます。
貸暗号資産との違い
長期保有で仮想通貨をもらえるという点で、GMOコインに仮想通貨を貸して手数料をもらう「貸暗号資産」と似ています。
しかし、その内容は全く異なるので、念のため確認しましょう。
項目 | ステーキング | 貸暗号資産 |
数量 | 制限なし | 制限あり |
売却 | いつでもOK | 満期まで待つ |
送付 | いつでもOK | 満期まで待つ |
期間 | 制限なし | 制限あり |
申込 | 不要 | 必要 |
分別管理 | 対象 | 対象外 |
報酬 | 変動制 | 固定 |
ステーキングの方が圧倒的に自由度が高く、利便性が高いです。
委任の方法
では、肝心の委任の方法です。自分でシステムを構築しても良いのですが、圧倒的に簡単なのは、「GMOコインで買って保有する」です(買わなくても、GMOコインの口座に送金してもOK)。
委任に関する手続きは事実上不要で、口座に入れておくだけで十分です。煩雑な手続きはGMOコインがやってくれますので、ミスして慌てることもなく、安心です。
詳細な内容
テゾスをGMOコインに預ければOKではありますが、もう少し具体的な内容を確認しましょう。
ステーキングに必要な数量は、1か月間の平均保有数量が1XTZ以上です。例えば、1か月が30日間で、月の最終日の午前6時前に30XTZ買う場合、1か月間の平均保有数量は1XTZとなります(毎朝6時時点の数量で判定)。
最終日に買って~と考えるとややこしいですが、テゾスの単価はあまりに高額というわけではないので、まとめて数十~数百以上を保有すれば、その月から報酬をもらえます。
そして、報酬をいつもらえるか?ですが、当月分を翌月の10日にもらいます(10日が土日祝日の場合は、翌平日)。
また、小数点第6位までしっかりと報酬をもらえます(それ以下の桁は切り捨て)。
なお、手数料を別途支払う必要はありません。ステーキングに参加するとベイカーに対する手数料が必要ですが、報酬からこの手数料を引かれた額が口座に反映されます。
最後に、貸暗号資産との「二重取り」はできませんので、注意です。すなわち、貸暗号資産サービスを使っている間は、報酬を得られません。
ステーキングをするか、貸暗号資産にするか、の選択です。
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