トライオートETFでの自動売買プログラム制作依頼を受け、危険度が高いのでは?と思えるかもしれない銘柄を敢えて攻めました。すなわち、原油ETFです。
しかし、ゆったり為替は、危険度が格別に高いとは考えていません。その理由などを考察します。
なお、原油ETFの自動売買の考え方につきましては、インヴァスト証券ホームページ内の記事「認定ビルダー「安全と利食いの両立狙い_原油ETF」について 」でご確認いただけます。
その記事をご覧いただくと、この設定には一定の合理性があると判断できます。
ただし、良い面ばかりでなく、コスト面では厳しいので、その内容を確認しましょう(コスト面について、この記事の最後に書いています)。
原油ETFの原資産(United States Oil Fund)
さて、この原油ETFですが、価格を提示するために参照しているのは、ニューヨーク証券取引所に上場している United States Oil Fund (USO)です。
そこで、USOの解説ページを見てみましょう。トップに、いきなり真っ赤な警告が表示されています。
簡潔に意訳しますと、以下の通りです。
「新型コロナウイルス問題による原油市場の混乱、原油の供給過剰、そして当局の規制が、USOの投資目的に沿う行動に対して大きな影響を与えています。USOに投資する前に、目論見書をよく読んでください。」
わずかな期間とはいえ、原油先物価格がマイナスに転じてしまったのですから、このような警告が出るのは仕方ありません。
新型コロナウイルス問題が発生する前にUSOを買って保有している人は、多くが含み損を抱えているのでは?と予想できます。
下のグラフは、上でご案内したホームページから持ってきたものです。2006年4月に1万ドルを投じて買ったら、資産評価額はどのように推移したか?です。
数字が小さいので読みづらいですが、グラフを見れば、全然ダメな推移だと分かります。グラフの右端を見ますと、ゼロに近づいている様子が分かります。
では、原油ETFでトレードするのは危険が大きすぎるか?ですが、そうとも言えません。
いつ買うか?資産の成長方法は?
この冒頭の書きぶりを読むと、買いたくないです。なぜ買いたくないか?ですが、それは価格が下落しているからです。
高値で買って、その後価格が下落したら、損です。損したくありません。
いつ買うか?
ここで考慮したいのは、「高値で買って、その後価格が下落したら」という部分です。価格が下落した後に買うのはどうでしょう。
新型コロナウイルス問題は、まだ解決していません。ワクチンの開発を待っている状態ですが、開発後も、世界に広く浸透するには時間がかかるでしょう。
しかし、2020年3月~4月のようなパニックが再来するか?です。人間には、環境に慣れる能力がありますから、パニックになる確率は低めだと想定可能です。
また、原油の過剰供給ですが、価格があまりに安くなれば、操業停止に追い込まれる油井が増えます(供給減)。
また、人口は増え続けますから、長期的に見て原油への需要は増え続けます。
よって、短期でなく長期視点なら、原油ETFにチャンスがあるのでは?と考えることができます。
資産の成長方法
では、今買えばよいのか?です。
今買ってから価格が上昇するなら良いですが、上昇するかどうか、それは将来になってみないと分かりません。安値のまま推移するかもしれません。
安値で推移したら、ダラダラと動く眠たいチャートを見ながら、買いポジションを握りしめるだけになってしまいます。
ここで、トライオートETFの特徴が生きます。
下は、トライオートETFの売買を図にしたものです。価格が大きく上下動しているように見えますが、実際には低位で動いているとしましょう。
この場合、「買って、持ち続ける」だと、資産がぜんぜん増えません。価格が低位で推移しているからです。
ところが、トライオートETFの場合だと、同じ価格帯でずっと推移するのは大歓迎です。
上の図のように、ひたすら利食いしてくれるからです。もっと書くなら、価格は大きく上昇しない方が良いです。大きく上昇してしまうと、もう利食いできなくなってしまうからです。
世の中のUSOホルダーは、「価格が上がらないからつまらない…」と嘆いているのに、トライオートETFユーザーはウキウキ!ということです。
買いで取引
ちなみに、買い注文を前提にして書いていますが、それは価格が史上最安値付近にいるためです。
売りの取引も可能ですが、史上最安値からさらに下落を狙うのは、少々難しいのでは?と感じます。
長期的に見れば、さらに下落するよりも上昇する可能性の方が高いのでは?と想定し、買い注文での取引としています。
取引範囲
では、実際の取引範囲はどこか?ですが、下のチャートの通りです。
左端を見ますと、価格が大きく下落しています。そして、2020年4月を底にして、横ばいに転じている様子が分かります。ここを狙います。
赤い帯になっているのが、買い注文を出した範囲です。
2020年4月の最安値がもう一度実現しても、余裕がある設定にしています。そして、暴落後の高値よりも少し上まで買い注文を出しています。
すなわち、現在のダラダラした動きは歓迎です。
原油価格が元の位置まで大きく上昇したらどうする?ですが、その場合は全ての取引が利食いできたということですから、ハッピーです。何も問題ありません。
取引コストに注意!
なお、原油ETFですが、取引コストに注意が必要です。
FXでも、波乱相場になるとスプレッドが大きくなって取引しづらくなりますが、原油先物は相場が落ち着いておらず、スプレッドが恒常的に広くなっています。
「スプレッドが広くても利食いできればOK」という姿勢の自動売買プログラムですが、コストを重視するタイプでしたら、原油ETFの取引はストレスの元になるかもしれません。
この点、注意をお願いします。