最近、ツイートでユーロポンドについて言及しています。そこで、裁量だったり、みんなのリピート注文などでトレードする場合を考察します。
ユーロポンドの月足チャート
下は、みんなのFXから引用したユーロポンドの月足チャートです。
赤枠で囲った部分は2016年から続く長期チャートですので、この範囲でリピート系をすればOKなのでは?と予想できます。
ちなみに、この四角部分は単なるレンジではありません。歴史的高値水準でのレンジです。ということは、このレンジよりもさらに上に行くには、相当のエネルギーが必要だろうと予想できます。
というわけで、将来いつかレンジは終了するわけですが、上よりも下方向に進む可能性を高く見積もれます。
(イギリスが連合王国を解消するなど、リスクが顕在化したらどうなるか不明ですが。)
みんなのリピート注文の設定範囲
では、この範囲でみんなのリピート注文を設定してみよう!と考える場合、少々厄介な問題があります。証拠金額です。
赤枠は、およそ0.8300~0.9500の範囲で描いていますので、1,200pipsです。長期トレードなら1,200pipsでも問題ありませんが、証拠金が大きくなりがちです。
下は、みんなのリピート注文でユーロポンドを買う場合の様子です。「推奨証拠金」部分が300万円を超えています。ちょっとキツイという場合もあるでしょう。
この場合は、取引ロット数を10分の1にすれば、推奨証拠金も10分の1になります。また、レンジを2つに分割すると、必要な証拠金を抑えることができます。下は例です。
上側の青枠で売り、下側の赤枠で買います。
ゆったり為替の場合、買いと売りの間に少し空間を作るのを好みます(この部分では取引しません)。
空白域では売買できないというデメリットがありますが、損切りする場合の損失額を抑えることができるというメリットがあります。
売るか、買うか
では、この記事を書いている時点のユーロポンドは青枠に入っているから、売れば良いのか?ですが、そうだと断定できません。
これがFXの興味深い点の一つで、その理由は日足チャートで分かります。下の通りです。
日足チャートで見ると、明らかに上昇トレンドです。
「もう十分高くなったから売っても良いだろう」という判断は可能ですが、チャート形状を素直に読むなら、買いの取引が自然です。
みんなのリピート注文の運用成績
この関係は、みんなのリピート注文の運用成績にも表現されています。買う場合と売る場合に分けて、確認しましょう。
買いの取引の場合
下は、みんなのリピート注文でユーロポンドを買ったときの運用成績推移です(緑色は実現損益、ピンクは評価損益、実線はこれら二つの合計)。
グラフの真ん中あたりで、実線が大きく上に伸びているものの、直後にマイナスに沈んでいます。その後、ジワジワと復活している様子が分かります。
これは、2020年3月の新型コロナウイルス問題を受けた動きを、そのまま反映している結果です。
ただし、リピート系注文は、裁量トレードと異なり、どんどん利食いを繰り返します。
利食いで獲得した資金は口座残高に追加されていきますから、含み損になっても、利食いした金額分だけ損失が緩和されます。
よって、含み損のまま推移しても、利食いを繰り返していれば合計でプラスを見込めるのがメリットです。
下は、直近3カ月間の成績です。新型コロナウイルス問題で下落するあたりからのスタートですから、最初はイマイチな成績です。しかし、その後復活している様子が分かります。
売りの取引の場合
次に、売りの取引を確認しましょう。買いと売りでは取引が正反対ですから、成績も反対に近くなります。
すなわち、新型コロナウイルス問題で為替レートが上昇したときはマイナスが膨らみ、その後の下落で成績が復活するものの、為替レートが上昇するにつれてマイナスになっている様子が分かります。
下は、直近3カ月間の成績です。実戦のグラフを見ますと、勢いよく下方向に進んでいる様子が分かります。
買いと売りで成績を比較しましたが、どちらで売買したいと思うでしょうか。圧倒的多数の人は、買いで取引したいと思うでしょう。
これは、みんなのリピート注文のフォロワー数にも表れています。
フォロワー数とは、「このストラテジーが気になるからチェックしておこう!」と選択した人数を示します。数が多いほど、ユーザーの関心が高いと判断できます。
ユーロポンドのフォロワー数
売り:61名
日本でユーロポンドは大人気!というわけにはいかないので、人数は少ないです。
しかし、買いの方が圧倒的に人気だと分かります(ちなみに、フォロワー数が最も多かったのは、メキシコペソ円の買いで3,154名でした)。
時間軸で運用方針が変わる
というわけで、ここで確認したいのは、「どの時間軸を採用するかによって、トレード方針が変わる」という点です。
日足中心にトレードする場合、トレード開始から終了まで、長くても数か月という感じでしょう。この場合、現在の為替レートは上昇傾向なのだから、売るのは大変そう。
買いで取引して、相場が反転下落しそうになったら取引終了です。
日足でトレードしていて売るという場合、このチャート形状で売るというよりは、下落し始めてから売った方が良いのでは…と感じます。
一方、月足でトレードする場合は、現在の位置から買うのは、少々勇気がいるかもしれません。と言いますのは、月足チャートではレンジを形成しており、現在はレンジの上部にあるからです。
とはいえ、まだ上側に余裕があるように見えますから、買いの取引も可能に見えます。
(さらには、ユーロポンドのレンジが終わったら上方向に進むぞ!と考えている場合も、買いの取引が選択肢になりそうです。)
レンジ終了後の上昇を期待する場合は、実際にレンジが終わってから考えて取引した方が安全なのでは…と思いますが、今買って実際に上昇したら、大きな利幅を得られます。
ゆったり為替の方針
では、ゆったり為替はどの方針で臨むか?ですが、「(この記事を投稿した時点から見て)もう少し上昇してから、下落する場面を狙いたい」です。
イギリスはゴタゴタが続いていて、連合王国の解散可能性まで報道されることがある状況ですが、まだレンジを維持できるのでは?という見込みです。
イギリスや世界経済がどうなるか?というのは将来予想でしかない一方、過去5年近くレンジで推移してきた、そして2020年3月の暴落でもレンジが終了しなかった、というのは事実です。
ゆったり為替は、事実を重視します。そして、この想定が当たる場合は取引し、外れる場合は傍観するというスタイルです。
ただ、「いつ取引するか」の判断は、とても難しいです。こういう時に、リピート系注文の強さが発揮されます。
リピート系注文は、取引開始位置と終了位置について、厳密に決める必要はありません。
「だいたいこれくらいじゃない?」でもOKです。これが強みです。
日足で分析した結果、買おうと決めたら、相場が怪しくなったところで決済して勝ち逃げ。
そして、売りで取引しようと思う場合は、実際に下落トレンドになってから売り取引(または、今からもう売ってしまう)という選択肢。
同じ人(ゆったり為替)が同じ通貨ペアを見ているのに、トレード判断が真逆になってしまいます。世の中の「専門家」と呼ばれる人たちの判断が、買いと売りで入り混じるのは、ごく自然だろうと思います。