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アン女王のギニー金貨【イギリス・1713年発行】

2022年1月11日

(株)ダルマのHPを眺めていたら、イギリスのアン女王のギニー金貨が販売中でしたので、この金貨についてサクッとご案内します(ギニーとは…などと詳細に書いてもOKですが、ここは相場ブログなので概要をざっくりと紹介します)。

イギリスのアン女王

高校世界史で勉強した人にとっても、アン女王はサラッと流してしまう部分かもしれませんが、現在のイギリスを形成した重要人物です。具体的には、スコットランドを併合してイギリスの一部としました(それまでスコットランドは独立国だったということです)。

スコットランドは独立国だったとはいえ、イングランドと同じ人物(ジェームス1世)を君主にしていたのですが、「併合」という言葉からも分かりますとおり、イングランドは圧倒的な経済力等でスコットランドを半ば強制的にくっつけて大ブリテン王国を形成しました。

というわけで、スコットランドとイングランドは何かにつけて仲が悪いのですが、それは2016年のEU離脱の国民投票でもはっきりと表れています。下の地図はBBCからの引用で、イギリスの北にあるスコットランドは黄色(EU残留派の勝利)、南側のイングランドは青色(離脱派の勝利)ですが、人口が圧倒的に違うのでイギリス全体としては離脱となりました。

ゆったり為替としては、スコットランドが再び住民投票を実施してイギリスから離脱する是非を問うかもなあ…という感じで推移を見守っています。

このように剛腕だったアン女王ですが、17名の子を授かったものの病気等のため誰一人として成人になることはなく、相当辛い人生だったかもしれません。

イギリス王室の歴史をざっと眺めると、ヴィクトリア女王のように「この王様は最初から最後までいい感じで過ごしましたとさ。おしまい。」…という感じの人物は意外に少ない感じで、幸せって何だろうねえ…と考えさせられる面もあります。

ギニー金貨のデザイン

さて、話が大きくそれましたが、本題のコインに進みましょう(コインの写真は全てダルマから引用)。下のように、アン女王はふくよかな女性だったことが分かります。周囲に書いてある文字はラテン語で「ANNA DEI GRATIA」であり、「神の御恵みを受けたアン女王」という趣旨になります。

アン女王

そして、下が裏側のデザインです。アン女王はスコットランドを併合したのですが、併合前と併合後でデザインが変わっています。その違いを見てみましょう。

ギニー金貨

上は1713年(併合後)のデザインで、下が1707年の併合前のデザインです。

ギニー金貨

いくつか異なりますが、紋章(盾)部分のデザインが異なると分かります。一番上の盾を見ますと、1713年のコインは盾を縦に2つに区切って、左側にライオン3頭、右側にライオン1頭が描かれています。これは、ライオン3頭がイングランドを示し、1頭の側はスコットランドを示しています。

アン女王の金貨を集める楽しさは、この歴史を感じることができる点にもあります。

またまた余談ですが、盾の中に剣のようなデザインが描かれている部分があります。下の画像で赤枠で囲った部分です。

ギニー金貨

これは何だ?ですが、フルール・ド・リスと呼ばれ、ユリ(正確にはアヤメ)をデザイン化したものであり、これはフランス王家との深い関係を表現しています。イギリス王室はフランスから王様を迎えた歴史があり、フランス王室の血が流れていますから、「フランス領土はイギリスの物だぞ!」と主張しているというわけです。

さすがに、現在ではその主張を取り下げてコインからもフルール・ド・リスは消え去ったのですが、長らくフランス領土も欲しいと考えていたことが分かります。

ちなみに、周囲に書いてあるラテン語は「MAG BRI FR ET HIB REG 1713」すなわち「グレートブリテン、フランスそしてアイルランド王 1713年」という意味で、ここでも「フランスはイギリスのもんじゃ!」と主張していることが分かります。

グレードや価格など

では、この金貨のグレード(品質)や価格などを見ていきましょう。

  • ダルマの管理番号:9299
  • グレード:-EF
  • 直径:26mm
  • 重量:8.37g
  • 材料:金(純度91.7%)
  • 価格:90万円

グレードとはコインの品質を示し、ダルマでは-EF(極美品)となっていますが、マイナス(-)がついているので極美品よりは少し劣るという趣旨です。しかし、ダルマの評価は他社よりも厳しく見積もる傾向が強いので、一般的な他社だとEF相当だと見なして問題ないでしょう。

(他社だとEF相当というのは本当か?という疑問がある場合は、ダルマに直接照会してください。ダルマの評価の厳しさは、おそらく業界でも有名なはず。)

そして、価格は90万円です。イギリスの金貨は世界的に人気で、毎年のように価格がどんどん上昇しています。私の手元にあるカタログ「COINS OF ENGLAND」は1年前のものですが、それによるとEFの標準価格は10,000ポンド。そして(株)ダルマによると最新版(今年)の標準価格は12,000ポンド(185万円~190万円)となっており、価格がどんどん上昇しています。

スゴイですねえ。ここで、「あれ?ダルマの販売価格は90万円だけれど、どうなっているの?」と気づくかもしれません。

例えばFXなら、現在の米ドル/円の価格は世界中どこでも概ね同じですが、コインは取引ごとに価格がバラバラという特徴があります(一物一価が成立しない)。そして、ダルマは仕入れ価格に一定の利幅を乗せて価格を付けるスタイルですし、カタログ価格は参考となる標準価格という扱いですから、こんな差が出る場合もあります。

ちょっと面白そうだからコインを見てみようという場合は、ダルマ公式ページに進んでご覧ください。実際に買うことになったら、「ゆったり為替のブログで情報をもらった」とダルマに伝えていただくと幸いです。

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