スワップポイントの一本値といえば「くりっく365」が老舗であり、多くのFX業者は一本値でなく顧客にとって不利です。
ならば、くりっく365で取引すれば良いのですが、くりっく365には問題が2点あります。最低取引数量が1万通貨であること、そして円を含まない通貨ペアの種類がやや少ないという点です。
この状況で、トライオートFXがスワップポイント一本値キャンペーンを開催します。そこで、一本値の意味やトレードプランを紹介します。
スワップポイントの一本値とは
スワップポイントの一本値とは、特定の通貨ペアについて買いポジションと売りポジションを同数保有する場合、買いと売りでスワップポイントの絶対値が同じになるということです。トライオートFXのキャンペーンでは売買同値という表現を使っていますが、同じ意味です。
下は、米ドル円を1万通貨保有する場合の仮の例です。
スワップポイントが一本値
- 買いポジション:+180円/日
- 売りポジション:-180円/日
- 差額:ゼロ
スワップポイントは買いと売りでプラスかマイナスかという違いがあるものの、180という数字(絶対値)は同じです。これがスワップポイントの一本値です。
一般的には以下のとおりであり、マイナスの差額は顧客が支払うコスト、すなわちFX業者の収入となります。
一般的な場合
- 買いポジション:+160円/日
- 売りポジション:-200円/日
- 差額:-40円
一本値が生きる場面
スワップポイントが一本値だと顧客有利になるものの、一般的なトレードではその優位性を強く意識することはないでしょう。一本値のありがたさが良くわかるのは、リピート系FXで両建て取引をする場合です。
例えば、一本値のFX業者で特定の通貨ペアの買いポジション数量と売りポジション数量が同数の場合、日々のスワップポイントは合計でゼロですからスワップ損はありません。それに対して、一般的なFX業者で両建てをすると、買いと売りで同数保有していても毎日支払いが発生してしまいます。
買いと売りが同数でなくてもスワップポイント損が毎日発生しますので、できることなら回避したいです。
そして今回、トライオートFXでは以下の3通貨ペアでスワップポイントが一本値になります。
- 豪ドルNZドル
- ユーロポンド
- ユーロ円
ゆったり為替はこの3通貨ペアを見た瞬間に、「両建てのリピート系FXを意識しているに違いない」と感じました。
この記事の冒頭に、トライオートFXのキャンペーン告知バナーをコピペしています。それを見ますと通貨ペアの並び順が独特で、豪ドルNZドルが最上位でユーロ円が一番下です。これはもう、両建てを思いっきり意識しているでしょう。
以下、各通貨ペアの月足チャートで確認します。
各通貨ペアの長期チャート
豪ドルNZドル、ユーロポンド、ユーロ円の順で月足チャートを確認します。
豪ドルNZドル
下の赤枠部分はレンジを示しており、2014年から延々と続いていて分かりやすい値動きです。値動きの範囲は1.00~1.14とやや広いものの、月足チャートで考えるならこれくらいの範囲は通常運転です。
そして、下は豪ドルNZドルの超長期チャートで、1973年以降を表示しています。豪ドルNZドル=1.00に強烈なサポートラインがあり、50年にわたって機能し続けています。
このため、1.14のレジスタンスラインよりも1.00のサポートラインのほうが強いという想定で、トレードプランを作ることができます。
仮の話になりますが、2014年以降でこの範囲で両建てのリピート系FXをしてきた場合、大変な利食い回数を記録したことでしょう。ゆったり為替は守備力重視のスタイルですので、1.00に近づいたら買う方法を採用してきました。
両建ては攻撃力重視で、ゆったり為替は守備力重視。どちらが正解ということはなく、お好みで決められます。
ユーロポンド
ユーロポンドも、延々とレンジ相場が続いてきました。下の赤枠は2016年半ば以降を示しており、0.82~0.94付近でジグザグと動いてきました。
ユーロポンドは豪ドルNZドルに比べて値動きが激しく、この範囲で両建てのリピート系FXを実行できていたら、さぞかし気持ちの良い展開になっていることでしょう。
なお、ユーロは新しい通貨ですので、豪ドルNZドルのように1970年代から表示させるのは困難です。フランスフランやドイツマルクのデータを使って計算すれば仮のチャートを作成可能ではありますが、大変すぎるのでやめます。
よって、ユーロを含む通貨ペアについては、月足チャートでも2000年あたりからの表示が一般的に最大となります。
ユーロ円
最後に、ユーロ円です。この通貨ペアも長期でレンジになっていると判断可能で、下の四角は2014年以降を示しています。ただし、豪ドルNZドルやユーロポンドと比べると、レンジの設定がやや強引に見えるかもしれません。
この値動きをレンジとみなすのは少々無理があると感じる場合は、両建てを回避します。
レンジのトレードプラン例
トライオートFXを使ってこの3通貨ペアで取引する場合、どのようなトレードプランを想定できるでしょうか。両建てする場合も含めて考察します。
1:レンジの全範囲で両建て
上の四角は、レンジの範囲を簡潔に示したものです。この範囲全体で両建て取引をします。この方法は最も意欲的なトレード設定で、数多くの利食い回数を期待できます。
その一方、為替レートが高値圏から安値圏まで動く場合、高値圏で買ったポジションの含み損が大きくなるのがデメリットです。安値から高値に動く場合は、安値圏で売ったポジションの含み損が問題となります。
2:高値圏で買わない、安値圏で売らない
上のプランの問題を回避するのが、このプランです。赤の四角は買い注文の範囲、緑の四角は売り注文の範囲を示します。高値圏での買いをやめると同時に安値圏での売りをやめており、安値圏では買いのみ、高値圏では売りのみになります。
為替レートがレンジの端で推移すると両建てのメリットを得られませんが、含み損の問題を緩和できます。
3:両建てをやめる
「高値圏で買わない、安値圏で売らない」という考えをさらに広めたのが、このプランです。最高値の買い注文と最安値の売り注文が同じくらいになるようにします。
こうすれば含み損を抑えることができて、かつ、為替レートがレンジ内で推移する限り、ポジションを保有して利食いを狙うことができます。
4:レンジの周辺でだけ取引
これは、含み損に対してさらに警戒心を高めたプランです。レンジの中ほどでは取引せずに待ち続け、為替レートがレンジの端に来たら取引します。安値圏では買い注文のみ、高値圏では売り注文のみですから、含み損はとても小さくなります。
その一方、利食いの機会も限られてしまいます。
5:さらに守備重視
これは、攻撃力を捨てて守備力を重視したプランです。サポートラインとレジスタンスラインのうち、より強いと思う側だけで取引します。豪ドルNZドルでのゆったり為替の取引姿勢は、これに該当します。
能力を守備力に全振りした状態ですので、利幅は限られますが、損切りになる場合の損失額を抑えることができます。
トレードプランは各自のお好みで
以上、トライオートFXのキャンペーンを題材にして、レンジ相場でどのようにリピート系FXを使うかを紹介しました。
上の1~5のいずれかを使うべきというものではなく、トレード手法はお好みで選べますし、自分のリスク許容額の範囲内で楽しめます。