ゆったり為替は、超長期のリピート系FXを好みます。そこで、トライオートFXを使って豪ドル/円の超巨大設定(55.0円~84.80円)で取引してきました。
そして数年間取引を続けたのち、豪ドル/円が85.0円を回復したので、いったん終了。今は様子見をしています。
さて、何か面白いトレードはないか…と考えていたところに、インヴァスト証券が新しいトレードを公開してくれました。トライグルトレです。
トライグルトレとは
トライグルトレという名前を見ると、グルグルトレインの派生形だなと分かりますので、先にグルグルトレインの基本形を確認します。
その後、トライグルトレを見れば、特徴がよりはっきりと分かるでしょう(為替レート上昇を想定する場合を考えます。売りは逆にしてください)。
グルグルトレイン
下の図は、グルグルトレインの基本形を簡単に描いたものです。
100銭の範囲で、10銭ごとに1,000通貨ずつ発注してリピート系FXをします。買いと売りの両方で実行しますから、両建てになっています。
そして、どこかで1万通貨の買いポジション(=サポートの買い)を保有します(安値付近で買えれば望ましい)。
さて、この取引をすると、どのような結果になるでしょうか。
レンジ相場が続く場合
- 両建てで利食いを繰り返す
レンジ相場が続く場合、両建ての威力が最大限に発揮されます。すなわち、為替レートが上昇しても下落しても、ひたすら利食いを続けます。
しかし、このうれしい状況は永続せず、いつかは終わります。その時の様子を確認しましょう。
最終的に上昇する場合
- 買い注文は全て利食い、売り注文は含み損になる
- サポートの買いは、含み益となる
安値付近で大きく買っている一方、売りは段階的に少しずつですから、為替レートが上昇したときの含み損と含み益を合計すると、損益はプラスと予想できます。
すなわち、リピート系FXの利食いも併せて考えると、このトレードは成功です。
最終的に下落する場合
- 売り注文は全て利食い、買い注文は含み損になる
- サポートの買いは、含み損となる
最終的に下落する場合は、買いポジションが含み損になります。しかし、レンジから下落に至る過程で利食いを繰り返しますから、獲得した金額以上に損する前に損切りすればOKです。
この基本形は100銭の取引範囲にしていますが、200銭でも300銭でも構いません。
このように解説すると、グルグルトレインで常に成功できるように見えますが、実際にはそうでもありません。例えば、取引を開始してから一直線に下落する場合です。
この場合、何回か利食いできる可能性はあるものの、買いポジションの含み損をカバーできずに損失で終わることでしょう。
というわけで、グルグルトレインで成功するには、相場を読む力がある程度必要ということになります。
ただし、両建てで利食いを繰り返せば、最終的に買いポジションを損切りしても合計で成績をプラスにできます。すなわち、相場を読む力は裁量トレードほどには必要ではありません。
これが大きなメリットです。
為替レートの上昇を想定する場合のグルグルトレインのまとめは、以下の通りです(下落想定の場合は逆にしてください)。
グルグルトレインまとめ
- レンジに強い
- 上昇トレンドに強い
- 下落トレンドでもプラスの成績になる可能性
トライグルトレの場合
では、トライグルトレに移りましょう。グルグルトレインと比べて、どこが異なるでしょうか。下のイメージ図は、トライオートFX公式からの引用です。
全部で4つの注文で構成されていることが分かります。
- 子本体_買
- 子本体_売
- サポート_買
- ヘッジ_売
「子本体_買」「子本体_売」は、両建てでリピート系FXをする部分です。そして「サポート_買」は中長期の保有ポジションですが、これらはグルグルトレインと同じ意図です。
異なるのは「ヘッジ_売」の注文と、基本の取引範囲が700pipsとなっている部分です。この2つを順に見ていきます。
なお、注文の種類は4つですが、注文そのものは既に準備されていますので、取引したい通貨ペアを選んで取引を始めるだけでOKです。発注そのものは簡単です。
ヘッジ売り
ヘッジ売りの役割ですが、積極的に収益を狙いに行くのではなく、損失拡大を防ぐ目的です。
グルグルトレインの解説で確認しました通り、サポートの買いポジションがある状況で為替レートが大幅に下落すると、損失が大きくなる可能性があります。
そこで、売りポジションを作れば、為替レートがさらに下落したとしても損失拡大を防止できるというわけです(サポートの買いは含み損拡大、ヘッジ売りは含み益拡大、合計すれば損益ゼロ近辺)。
では、ヘッジ売りポジションを持ってから為替レートが急回復したらどうなる?です。この場合、含み損益は回復しません。
なぜなら、サポートの買いポジションは含み損が解消される一方、ヘッジ売りポジションが含み損になってしまうからです。
そこで、ヘッジ売りポジションを持ってしまったら、全てのポジションを決済して取引を終了します。
取引終了までに、リピート系FXで何度も利食いを繰り返しているでしょう。その金額が十分に大きければ、損切り撤退しても合計でプラスにできます。
ヘッジ売りの問題点
このヘッジ売りは、損失が大きくなりすぎるのを回避するという保険の目的がありますが、問題点もあります。それは、管理すべき注文の種類が多くなるという点です。
- 子本体_買
- 子本体_売
- サポート_買
- ヘッジ_売
注文範囲は700pipsで、その中に上の4種類の注文が複数投入されます。
多数の注文を頭の中で管理し続けるのは無理がありますので、トライオートFXの発注画面で管理するか、エクセル等に転記して自由にメモを追記して管理することになります。
管理すべき注文の種類は、少ない方が分かりやすいです。そこで、何とかしてヘッジ売り注文を削除できないか?ですが、可能です。
その方法を確認しましょう。
トライグルトレの損切り設定を見ますと、下の赤枠の通り、何も書いてありません。すなわち、損切り注文が発注されていません。
そこで、ヘッジ売り注文を削除しつつ、買い注文のそれぞれについて、特定の為替レートで損切りするように損切り幅を設定すれば良いということになります。
(発注後に注文内容を変更できます。)
全ての注文でこれを実行するのは、やや面倒でしょう。そこでヘッジ売り注文が採用されたのだと予想していますが、注文の種類を減らしたい場合は、この方法を検討できます。
取引範囲:700pips
次に、取引範囲の考察です。下に、トライグルトレのイメージ図を再掲します。左側に、取引範囲の具体的な説明があります。
運用を開始すると、前日終値を基準にして下側に300pips、上側に400pipsがデフォルトの取引範囲となります。ヘッジ売りは、この範囲を外れてさらに下落する場合に約定します。
では、この700pipsという大きさはどれくらいでしょうか。米ドル/円の日足チャートで確認します。
上のチャートで、2021年1月の安値は102円台半ばでした。そして、3月末の高値は111円くらいでした。この2つの差は、8.5円くらいです。
2021年になってから、米ドル/円は大きく上昇しました。あれよあれよという間の快進撃でしたが、それでも8.5円という値幅です。すなわち、トライグルトレの700pipsはとても大きな範囲だと言えます。
そこで、もう少し狭い範囲で取引したい…という場合は、700pipsの範囲の上限と下限付近の注文を停止してしまいましょう。こうすれば、狭い範囲の注文も可能になります。
トライグルトレまとめ
- グルグルトレインのメリットを受け継いでいる
- 既に準備してある取引設定を選ぶだけ
- 発注後に注文の修正が可能
コアレンジャーとの違い
さてここで、以前からトライオートFXで取引できたシステム「コアレンジャー」との違いについて確認します。
コアレンジャーは、為替レートが中長期的にレンジ相場を形成する場合に有利です。逆に、大きなトレンドができると、どこかで損切りが必要になります。
ただし、利食いを繰り返しますので、損切りしても最終的にプラスの成績にすることが可能です。
一方、トライグルトレは、為替レートがレンジになる場合に有利で、トレンドになる場合でも、そのトレンドの方向を適切に判断できれば、最終的に大きな成功を期待できます。
この2つを表にしますと、以下の通りです。
項目 | コアレンジャー | トライグルトレ |
取引期間 | 中期~長期 | 短期~中期 |
得意 | レンジ | レンジ・トレンド |
不得意 | 大きなトレンド | 見通しを誤る場合 |
注意を要するのは、取引期間でしょう。
コアレンジャーの場合、週足チャートまたは月足チャートとの親和性が高いです。
このため、取引開始前にシミュレーション(バックテスト)結果を参考にして、その成績の良し悪しで取引設定を選択するのが合理的でした。
しかし、トライグルトレの場合、取引期間はコアレンジャーよりも短い想定です。すなわち、日足(~週足)で機能しやすいと見込めます。
この場合、シミュレーション結果を参照すると痛い目に遭う可能性がありますので、シミュレーション結果は参考にしないのが吉でしょう。
シミュレーションを参照しない例
自分はどの期間で取引したいのか?を考えて、トライグルトレとコアレンジャーを選択するのが良いかもしれません。
キャンペーン実施中!
なお、インヴァスト証券では、トライグルトレを使用してトレードするとキャッシュバックをもらえるキャンペーン実施中です。
キャンペーン内容
- トライグルトレ限定
- 1万通貨あたり100円キャッシュバック
- 買いでも売りでもキャンペーン対象
- 2021年5月31日(月)まで
例えば、米ドル/円で10万通貨を新規買いして、その後10万通貨を決済した場合、キャンペーン対象は20万通貨となり、2,000円のキャッシュバックとなります。
1往復(新規取引と決済)で〇〇円だったり、新規取引で〇〇円というのは一般的に見かけますが、新規でも決済でも両方ともキャンペーン対象というのは、滅多に見ません。
また、1万通貨あたり100円というのも大盤振る舞いであり、トライグルトレに対してインヴァスト証券が力を入れていることが分かります。