TRY(トルコリラ)

トルコリラ円の見通し【長期】

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トルコリラ円のイメージと言えば、高金利通貨ペアでしょうか。そして、顕著な特徴は、「ひたすら円高になり続けている」ということです。

そこで、トルコリラ円の長期見通しを考察しましょう。

トルコリラ円の今までの値動き

最初に、トルコリラ円の今までの値動きを確認しましょう。下の長期チャート(月足)は、セントラル短資FXからの引用です。

トルコリラ円のチャート

2007年~2008年あたりまでは、円安軌道でした。これは、円を含む通貨ペア全般に言えることです。トルコリラ円も、同様です。

しかし、2008年以降がいけません。レンジになったり円安になったりすることもありましたが、基本的には円高一直線という感じです。

米ドル円と比較

トルコリラ円はどれほど円高なのか?を確認するために、米ドル円と比較してみましょう。

米ドル円の月足チャート

米ドル円は、2007年に円安の頂点を付けて円高になりました。これは、トルコリラ円とほぼ同じです。違うのは、2012年以降です。

米ドル円は、勢いよく円安になっています。トルコリラ円も円安になったもの、イマイチです。

この差が響いているように見えます。

2012年以降の円安が弱かったのに加えて、全体的に円高が進んでいます。結果として、ずっと円高が続いているように見えてしまいます。

トルコリラ円が円高になり続ける理由

では、トルコリラ円は、なぜ円高になり続けるのでしょうか。この傾向が続くなら、今後の見通しも円高だと言えそうです。

短期的にはともかく、長期的には、消費者物価指数(CPI)上昇率の差で、円高を説明できそうです。

CPI上昇率と為替レート

例えば、1つ100円の商品Aがあるとします。全く同じ商品をトルコで買うと、2リラだったとします。

商品A=100円=2リラ

すなわち、1リラ=50円(トルコリラ円=50円)となります。

ここで、何年も時間が経過したとします。日本の物価は変わらず、トルコの物価は2倍になりました。そして、同じ商品Aを買います。

商品A=100円=4リラ

トルコの物価は2倍になったのですから、商品Aを2リラで買うことはできません。4リラ支払います。

すると、1リラ=25円(トルコリラ円=25円)となります。物価上昇率が異なるというだけで、円高になってしまいました。

トルコと日本のCPI上昇率

では、トルコと日本の物価上昇率(CPI上昇率)の実績は、どうだったでしょうか。下のグラフの通りです。2001年以降を表示しています。日本は総合指数です。

引用元:
トルコCPI上昇率:トルコ中銀ホームページ
日本CPI上昇率:統計局ホームページ

トルコのCPI上昇率

トルコは、2003年くらいまでの物価上昇率が凄まじいです。全体像が見えづらくなりますので、2004年以降のグラフにしてみましょう。

下の通りです。

トルコのCPI上昇率

日本は、ゼロ近辺を推移しています。一方、トルコは、平均的には9%~10%くらいかな、という感じです。

2004年~2019年までの期間は、15年です。この間、物価が年率10%で上昇し続けると、物価は15年で4倍くらいになります。

すなわち、為替レートの数字は、15年間で4分の1くらいになるという計算です。もう一度、トルコリラ円のチャートを確認しましょう。

トルコリラ円のチャート

2004年~2005年あたりでは、トルコリラ円は80円くらいでした。そして、2019年時点では、20円を割り込む水準です。

すなわち、為替レートは4分の1以下になっています。

クーデターの発生とその後の対応や、クルド問題など、問題はあちこちにあります。しかし、CPI上昇率だけで円高の多くを説明できてしまうのが興味深いです。

市場によるエルドアン大統領の評価

では、エルドアン大統領は為替レートに影響を与えていないのか?ですが、大いに影響を与えているでしょう。

エルドアン大統領は、2014年8月に就任しました。それ以降のトルコリラ円の値動きを確認してみますと、文字通り一直線の円高に見えます。

円高ということは、トルコリラを売って円を買うという意味です。すなわち、トルコリラは欲しくないという意味になります。

これが、大統領に対する市場の評価です。

大統領は、自国通貨を守ってトルコを発展に導く使命を持っています。今後どうなるか、推移を見守りましょう。

米ドル/トルコリラ

参考までに、米ドル/トルコリラの長期チャートも確認しましょう。トルコリラが一方的に弱くなる(円高になる)のは、トルコリラ円だけの現象かどうか、確かめるためです。

USDTRYの長期チャート

基本的に、一方的な上昇(米ドルが強くなり、トルコリラが弱くなる)だと分かります。

チャートの中にある赤い線は、エルドアン大統領の就任時期です。就任前後で、チャートの傾きが変わっていることが分かります。

トルコリラ円の長期見通し

以上が、前置きです。本題は、トルコリラ円の長期見通しはどうなのか?です。一言で書くならば、「今後も円高が続く」になるでしょう。

もう一度、CPI上昇率のグラフを確認します。

トルコのCPI上昇率

トルコのCPI上昇率を見ますと、2018年に一気に上昇した後、2019年には沈静化に向かっています。これがどこまで下落するか?そして、下落後に安定するか?が重要です。

よって、CPI上昇率の推移を見守ることになります。

CPI上昇率が低位で安定すれば、円高になりづらくなると予想できます。

一方、日本側も問題です。CPI上昇率0%では、経済が盛り上がりません。物価に加えて給料等も、継続的に穏やかなプラスで推移することにより、経済に刺激を与える必要があります。

日本に安心感が出れば、いわゆるリスク回避の円買いが緩和し、円売りが促進される可能性があります。

「では、どんな政策をすれば良いのか?」というのは、不明です(適切な解答があるなら、日銀や財務省等が既に実行しているはず)。

どこまで円高になるか

次に、どこまで円高になるか、考察します。トルコリラ円の長期チャートを、もう一度見てみましょう。

トルコリラ円のチャート

この傾きが継続すると、為替レートはマイナス圏に突入してしまいます。というわけで、この傾きを維持することはできません。

円高になる速度は、次第にゆっくりになると予想できます。

ただ、過去の値動きを踏まえますと、値動きが穏やかな状態で、次第にゆっくり円高になるのは考えづらいのでは?と思います。

時折乱高下を経ながら、徐々に円高速度が落ちていくのでは?と予想できます。

この記事を投稿した時点では、トルコリラ円は20円弱です。今後20円を回復するかもしれませんが、円高の趨勢は変わらず、いずれ10円を割り込む可能性があると考えています。

トルコリラ円をいつ買えば良いか

以上の考察を見ると、トルコリラ円を買うのは全くダメなように見えます。しかし、過去の推移を見ると、含み益とスワップポイント益の両方を獲得できたチャンスがあります。

そして、そのチャンスには共通点があります。

その共通点につきましては、別記事「トルコリラ円のスワップポイントで生活できるか」の中の「トルコリラ円の買い時」部分でご確認いただけます。

ご確認ください。

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