豪州の政策金利見通し【2018年3月】

118653-2高金利通貨として名が通っている豪ドルですが、政策金利が低いのでスワップポイントも小さいままです。これは面白くないです。

そこで、豪州の経済データを確認しましょう。今後、政策金利上昇を期待して良いでしょうか。

豪州の政策金利推移

政策金利は、豪ドル/円(AUD/JPY)などのスワップポイントに大きな影響を与えます。そこで、2003年以降の豪州の政策金利推移を確認しましょう。

interest-rates

2008年までは、順調すぎるほどに政策金利が上昇していました。この時期は円安でしたし、スワップポイント狙いのトレードをしていれば最高の展開でした。

しかし、2008年以降の様子がよろしくありません。2010年から2012年にかけて復活したものの、それ以降は下落傾向となりました。2016年以降は横ばいとなっています。

とはいえ、この数字でも、他の先進国と比べれば高い水準となっています。

現在の世界全体の経済動向を見ると、(一時的かもしれませんが)安定を取り戻し、徐々に拡大しています。すなわち、次の政策金利変更は上昇方向だと予想可能です。しかし、それはいつになるでしょうか。これを知りたいです。

そこで、オーストラリアの経済指標をいくつか確認しましょう。データは豪州準備銀行から得ています。

豪州のCPI(消費者物価指数)

最初に、豪州のCPIから確認しましょう。CPIが上昇傾向ならば、政策金利も引き上げられるだろうと期待できるためです。下のグラフは、前年同期比のグラフです。

cpi

日本は0%近辺で推移していますが、オーストラリアは比較的高い数字となっています。しかし、2008年以降の全体的な傾向としては、徐々にCPIが低下傾向だと分かります。これでは、政策金利の引き上げは難しいです。

ただし、2016年を底にして反転上昇している様子が分かります。この上昇が続くならば、政策金利引上げにも期待が持てるでしょう。

豪州の期待インフレ率

次に、エコノミストによる、1年後の期待インフレ率を確認しましょう。期待インフレ率とは、将来のインフレ率の予想です。この数字が大きいならば、将来のCPIの上昇を期待できます。すなわち、政策金利も引き上げられるかも?となります。

cpi-2

上のグラフを見ますと、おおむね2%~3%で安定的に推移していることが分かります。近々、インフレ率が高まるという感じに見えません。

豪州の賃金上昇率

ここで、少し視点を変えて、賃金上昇率を確認しましょう。

賃金が上昇すれば、企業にとってはコスト高になります。そのコストを吸収するために、販売価格に転嫁するでしょう。すなわち、物価上昇率が高くなるということになります。

下のグラフで確認しましょう。

wage

残念ながら、賃金上昇率は徐々に低下していることが分かります。2013年くらいまでは、毎年3%~4%程度の賃金上昇でしたが、最近数年は2%前後に落ち着いています。物価上昇圧力は大きくないと判断できます。

2017年に入ってから、少し上向きになっています。これが誤差なのか、トレンドの最初期の動きなのかに注目したいところです。

コモディティ・インデックス

豪州の産業の特徴と言えば、鉱業(石炭・鉄鉱石)でしょう。カナダなどと同様に、豪州は天然資源に恵まれています。よって、資源価格の推移は豪州経済に大きな影響を与えます。

資源価格が上昇傾向ならば、投資の活発化などを通じて豪州経済が上向きになると期待できます。

commodity

上のグラフは、コモディティ価格を豪ドル建てでインデックス化したものです。2015年末までは下落傾向にありました。しかし、2016年初めを底にして、上昇トレンドになっていることが分かります。

これは豪州の輸出にとって有利な事であり、経済の拡大に期待を持たせてくれます。

豪州の政策金利見通し

以上の数字を見ますと、近いうちに豪州の政策金利が上昇すると期待するのは難しいように思います。ただし、経済は上向きに転じつつあるようにも見えます。

よって、次の政策金利変更がある場合、それは引き下げではなく引上げになるだろうと判断できます。