トルコリラ円(TRY/JPY)は、価格変動率が高いことで知られています。そこで、デイトレードで勝負できるかも知れません。
その一方で、スプレッドの大きさが気になるかもしれません。そこで、米ドル円と比較しながら考察します。
デイトレード:トルコリラ円と米ドル円を比較
値動きで利食いを狙う場合、価格変動の大きさが重要です。
1日で大きく動けば動くほど、デイトレードでの取引機会が多くなります。逆に値動きが乏しい通貨ペアは、デイトレードが難しくなります。
そこで、下の表をご覧ください。トルコリラ円(TRY/JPY)と米ドル円(USD/JPY)の比較表です。
2019年1月から7月までの7か月間について、1日の高値と安値の平均値を調べました(データはくりっく365を使用)。
通貨ペア | トルコリラ円 | 米ドル円 |
1日の値動き | 34.91銭 | 57.46銭 |
7月終値比 | 1.79% | 0.53% |
1日の値動きの大きさ(銭)
1日の値動きの大きさ(高値と安値の差)を比較しますと、米ドル円の方が大きいです。これは当然と言えるでしょう。
と言いますのは、米ドル円は100円台で推移してきました。一方、トルコリラ円は、20円前後です。価格水準が5倍も違うのですから、値動きの大きさが5倍あってもおかしくありません。
この視点で改めて見ますと、トルコリラ円の値動きは、米ドル円の半分よりも大きいです。
すなわち、価格水準に比べて値動きがとても大きいことが分かります。
値動きの大きさ(率)
では、トルコリラ円の値動きは、どれくらい大きいのでしょうか。これを数字で表したのが、表の「7月終値比」の部分です。
2019年7月の終値と比較して、1日の値動きの大きさは何%あるか?という数字です。
米ドル円は0.53%なのに対して、トルコリラ円は1.79%もあります。すなわち、トルコリラ円は米ドル円に比べて3倍以上の値動きがあるという意味になります。
デイトレードと言えば、米ドル円やユーロ円などのメジャー通貨ペアが主流になるでしょう。しかし、トルコリラ円も、選択肢になると分かります。
スプレッドの大きさ
トルコリラ円の値動きは、大きいことが分かりました。次に、各FX業者のスプレッドを確認しましょう。
と言いますのは、値動きが大きくても、各FX業者のスプレッドが広すぎるならば、デイトレードは難しくなるからです。
スプレッドの大きさは、以下の通りです(各社とも、原則固定で例外ありです)。
FX業者 | スプレッド(銭) |
---|---|
LIGHT FX | 1.6 |
ヒロセ通商 | 1.6 |
マネパ(PFX) | 1.9 |
FXプライムbyGMO | 4.8 |
トライオートFX | 5.5 |
FXTF | 15.0 |
調査日:2020/03/23 |
スプレッドが狭い順に並べました。下位のFX業者の場合、スイングトレードでも厳しいかもしれません。スワップポイント狙いになるでしょうか。
スプレッドが狭い上位を見ますと、各社が競っていることが分かります。
米ドル円のスプレッドと比べると見劣りしますが、その他の通貨ペアと比較しますと、とんでもなく悪い数字だというわけでもありません。
トルコリラ円が各社で取引できるようになったころ、最も狭いスプレッドは5銭くらいでした。「5銭?狭いね!」という感じでした。
ところが、現在はこの数字です。FX業者間の競争が激しいことが分かります。
チャートを見ながら検討
実際のデイトレードでは、「日足安値で買って日足高値で売る」というトレードを続けるのは、不可能でしょう。
大きな値動きの中で、少しの利食いを狙います。
そこで、トルコリラ円のデイトレードの成功確率はどれくらいか、日足チャートを見ながら考えましょう。下は、LIGHT FXからの引用です。
陽線にしても陰線にしても、実態部分が長い場合が多いと分かります。また、実態が小さい場合でも、ヒゲがとても長いと分かります。
すなわち、値動きが大きいことが分かります。この波に乗れれば、デイトレードで利食いを狙えます。
買いか売りか
では、実際には、買いと売りのどちらを中心にすべきでしょうか。これを検討するために、月足チャートを見ましょう。
「一方的に」という表現は行き過ぎな感がありますが、それに近いくらいの円高です。
すなわち、スワップポイント狙いで買って保有を続けると、含み損で苦しくなる可能性があります。
スワップポイント狙いをする場合は、為替レートの下落から反発(あるいは横ばい)になる部分を狙うのが中心になるでしょう。
一方、デイトレードで考える場合、スワップポイントを考慮する必要がありません。これはメリットです。
トルコリラ円のスワップポイントは大きいので、売りで保有するとスワップポイント損が痛いです。しかし、デイトレードなので、お構いなしです。
上の月足チャートを見れば、売りを中心にすればいいんだな、と分かります。
どのFX口座で取引するか
最後に、どのFX口座で取引すべきか、考察しましょう。
自分のお気に入りの口座を使えばOKという話なのですが、スプレッドが狭い方がいいです。デイトレードですから、重要な点です。
スプレッド表を、もう一度確認しましょう。
FX業者 | スプレッド(銭) |
---|---|
LIGHT FX | 1.6 |
ヒロセ通商 | 1.6 |
マネパ(PFX) | 1.9 |
FXプライムbyGMO | 4.8 |
トライオートFX | 5.5 |
FXTF | 15.0 |
調査日:2020/03/23 |
候補となるのは、LIGHT FXとヒロセ通商です。差がありません。では、どこが良いのか?です。
各社のキャンペーンを基準にすることもできるでしょう。しかし、キャンペーンには期限があります。一方、トレードは継続するものです。
こう考えると、重要なのは「デザイン」です。
自分に合うデザイン・合わないデザイン
ゆったり為替の場合、チャートが見やすい・見づらいというのは、トレード成績に直接的に反映されます。もちろん、見やすいチャートの方が、成績が良いです。
「このチャートは見づらいな…」と思いながら分析するよりも、そんなことを気にしないで相場に集中できる方が有利です。
チャートに限らず、取引画面のデザイン全体もそうです。
このあたりは、個人の好みになります。すなわち、自分で使ってみないとわかりません。
ゆったり為替は、全部で20以上のFX口座を持っています。
どれが自分に合っているのかを調べるためです。すると、「これはダメだ…!」というのもありますし、「これはいいね」というのもあります。
よって、トルコリラ円でデイトレードをしたい場合は、スプレッド競争で先頭を走っているFX口座すべてを保有するという勢いが必要と思います。
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