バックテスト

勝率6割なら、100回トレードして60回勝つ?

勝率が6割のトレード方法があったとします。このとき、100回取引したら60回勝つのは、明らかなように思います。しかし、本当でしょうか。

勝率6割で100回取引した場合に勝つ回数と、それが実現する確率の関係を調べました。比較のために、1,000回取引する場合も検証しました。

さらに、実際のトレードにどのように生かすかについて、検討しましょう。

勝率6割で100回取引する場合

検証した条件は、以下の通りです。

  • トレード手法の勝率は、6割である
  • トレードとトレードの間には、何の関係もない(前回の勝敗が今回の勝敗に影響を与えない)
  • トレードを100回繰り返す

結果は以下の通りです。グラフをご覧ください。横軸は勝利数、縦軸は、それが実現する確率を示しています。

勝率6割で100回

勝率6割ですから、100回トレードすれば60回くらい勝てます。このため、勝利数は、60回前後になる確率が高くなっています。

  • ちょうど60回勝てる確率:8.1%
  • 58回~62回勝てる確率:39.0%
  • 55回~65回勝てる確率:73.9%

勝利数が55回~65回に収まる確率は、73.9%です。すなわち、この範囲に入らない場合が26.1%もあります。

グラフをよく見ていただくと、勝利数が40台になる確率が、わずかながらあることが分かります。勝利数が50に満たない確率は1.7%です。

1.7%という数字は、小さいです。しかし、勝率6割で100回取引した場合に、半分も勝てない場合があることに注意が必要です。

現実のトレードと条件が異なる

なお、この試算は「前回の勝敗が今回の勝敗に影響を与えない」という前提で計算しています。

実際は、過去の為替レートの動きは、現在から将来の為替レートの動きに影響を与えるでしょう。また、連敗が続けば、カーッと熱くなったり落ち込んだりするかもしれません。

このため、実際のトレードにおいては、1.7%よりも高い数字が出てしまうかもしれません。

過去データを検証した結果、勝率が6割だったとしても、実際にトレードしてみるとなかなか勝てない。

そんなことがある場合は、以上の理由によるのかもしれません。

1,000回取引する場合

では、同じ条件で、1,000回トレードしたらどうなるでしょうか。結果は以下の通りです。

勝率6割で1,000回

  • ちょうど600回勝てる確率 :2.6%
  • 580回~620回勝てる確率 :81.4%
  • 550回~650回勝てる確率 :99.8%

なお、取引回数が100回の場合は、以下の通りでした。

  • ちょうど60回勝てる確率 :8.1%
  • 58回~62回勝てる確率 :39.0%
  • 55回~65回勝てる確率 :73.9%

取引回数が多くなればなるほど、確率通りの勝ち数を収めることができると分かります。

1,000回の取引をする場合、勝率6割ならば、勝ち数が500回を下回る場合を想定する必要はないようです。

検証結果をトレードに反映

では、この結果をトレードに反映しましょう。

トレード回数が少ない間は、1回の取引数量を少なくすべき

バックテストの結果、勝率が高いと分かったトレード方法があるとしましょう。

勝率が高くても、取引回数が少ないうちは、負け越しになる場合があります。そこで、最初のうちは取引数量を少なくします。

こうすれば、期待外れに終わった場合のダメージを少なくできます。

トレード回数が十分に増えたら、1回の取引量を大きくしてもOK

取引回数が多くなればなるほど、確率通りの結果に近くなります。このため、取引数量もそれに合わせて調整することができます。

問題があるとすれば、100回トレードして勝ち数が50に満たない場合、「それでもこのトレード方法は勝率が6割あるんだ。頑張ろう!」という気持ちを維持できるかどうかです。

それは、トレードする人が、自分が開発・検証したトレード手法をどれだけ信用するか?にかかっています。

実際のトレードにおける価値

では、実際のトレードに当てはめてみると、上の考察はどれくらいの価値があるでしょうか。

ゆったり為替の経験や、勝ち続けている周囲のトレーダーの様子を元に、考えてみます。

取引数量を少なくすること

勝率6割だと、「試行回数が少ないうちは、取引数量を少なくすべき」という結論になります。これは、実際のトレードでも有効でしょう。

何かトレード手法を採用する際、その手法について深く習得するには、経験値が必要です。

確率の話だと、第1回目のトレードも第100回目のトレードも、同じ確率です。しかし、実際には人が判断して取引します。

すなわち、最初は経験が浅いので、取引数量を抑える必要があります。第1回目よりも第100回目の方が、より良いトレードができると期待できます。

(ただし、漫然と取引するのでなく、取引するたびに反省会が必要でしょう。)

常に勝率6割は難しい

なお、経験値を上げても、いつでも勝率6割を維持するのは難しいかもしれません。

と言いますのは、相場は日々変化するからです。ある時は上昇トレンド、別の時は下落トレンド、と思いきや、レンジ相場になったり波乱相場になったりします。

よって、あらゆる相場で勝率6割を期待するのは、あまり現実的でなさそうです。

そのトレード手法が得意としている場面で、集中的に取引します。そして、得意でない場面は捨てて、いつまでも待ちます。

その姿勢が必要になります。

「勝つ」の基準

また、どうなったら勝ったといえるのか、その基準も難しいかもしれません。ゆったり為替のトレードを例にしましょう。

ある為替レートで買いました。買う前に、目標値と損切り位置を決めています。そして、為替レートが上昇しました。この時、2つの行動をします。

  • ポジションの一部を利食い
  • 逆指値注文を、買った為替レートのすぐ上に移動

こうすれば、為替レートが下落に転じても、損切りになりません。また、一部とはいえ利食いできていますので、損益はプラスになります。

これを勝利とみなすかどうか、です。下の図は、このトレードの様子を描いたものです。青の曲線は、為替レートの動きです。

ゆったり為替のトレード

「買い」と書いてあるところで、買います。見込み違いに備えて、緑の丸部分で逆指値注文を出します。あとは、為替レートの動きに沿って、図のように逆指値を移動します。

目標値に到達しなければならないというルールなら、ゆったり為替のトレード手法の勝率は、6割よりもはるかに低い可能性があります。

逆に、この内容でも勝ちでOKという場合、勝率は6割よりもずっと高くなります。

上の方法を採用するメリットは、損切りになる確率を減らすことと、為替レートが期待通りに進まなくてもプラスで終われることです。

利幅や損失幅が相場状況で変わりますので、確率だけでは手法の優秀さを判断しづらいです。

確率が全てというトレード手法

確率だけで判断できるというトレードは、例えば以下のような感じでしょう。

スキャルピングなどで、利食い位置や損切り位置を変更しない手法

この場合、確率勝負になります。バイナリ―オプションも、確率勝負の部類になるでしょう。

自分が採用しようとしているトレード手法は、確率重視で考えればOKなのか、それとも、途中で利食いや損切り位置を変更するから修正が必要か、確認する必要があります。

ゆったり為替の経験や周囲の様子を見ていると、「利小損大」でなければ、利食い確率6割で資産を増やせると思います。

全トレードで利食い!というトレード

ちなみに、ゆったり為替の公開トレード(トライオートFXを使用)は、勝率100%を基本としています。と言いますのは、以下の内容だからです。

  • 豪ドル円の買い注文
  • 55円~84.8円の間で、数多く発注

巨大な範囲で、ひたすら利食いを繰り返します。結果、証拠金が増えていきます。豪ドル円が、円高記録の55円を下回っても、ずっと取引を続けるつもりでいます。

このような感じだと、取引した多数のトレードは、全て利食いになると想定できます。

(豪ドル円=30円という感じになったら、さすがに厳しいですが。)

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