TRY(トルコリラ)

トルコリラのリスク

投稿日:2014年8月20日 更新日:

FXには、様々なリスクがあります。その中で、トルコリラに特有のリスクを確認しましょう。

注意事項があれば、それに気を付けて取引します。

なお、米ドル/トルコリラでもユーロ/トルコリラでも構わないのですが、一般的に分かりやすい通貨ペアということで、トルコリラ円を想定しながら考えます。

トルコリラ円の特徴

リスクを考えるために、先に特徴を確認しましょう。トルコリラ円の特徴と言えば、大きく見て2つだろうと思います。

  • スワップポイントが大きい
  • 円高になりやすい

トルコリラ円を買うときも売るときも、大きなスワップポイントになります。ならば、スワップポイントをもらった方がうれしいです。

よって、トルコリラ円を取引するという場合、買う人が圧倒的に多いことでしょう。

例えば、マネーパートナーズでは、顧客の売買動向を公開しています。それを見ますと、2019年11月26日時点において、以下の通りです。

  • 買い:87.41%
  • 売り:12.59%

顧客の取引のうち、87.41%は買いです。圧倒的です。世界的に低金利の時代です。大きなスワップポイントというのは、とても魅力的です。

その一方で、トルコリラ円は長期的な円高傾向です。下の月足チャートは、セントラル短資FXからの引用です。

トルコリラ円の買いポジションを持っていて、円高になれば、含み損になってしまいます。頭の痛い問題です。

トルコリラ円のチャート

リスク

以上の内容から、「トルコリラ円のリスクは、円高だ」と結論付けたくなるかもしれません。しかし、それは正確でないでしょう。

円高がリスクというのは、買っている人から見た評価です。売っている人から見れば、リスクでなく歓迎です。100銭でも200銭でも、いくらでも下落OKです。

また、トルコリラ円に限らず、どの通貨ペアであっても為替レートは下落します。

よって、確かに円高になりやすい通貨ペアではありますが、円高はトルコリラ円に限定されたリスクではありません。

この記事では、FX全般のリスクでなく、トルコリラ円に特有のリスクを考察したいと考えています。

トルコリラ円特有のリスクとは

では、トルコリラ円特有のリスクとは何でしょうか。

比較対象がある方が分かりやすいので、米ドル円と比較してみます。米ドル円と比べてリスクがとても大きいと言える内容は、以下の通りです。

情報の得やすさ

米ドル円の場合、為替レートを大きく動かす原因は、主に米国と日本発の情報です。

日銀が政策金利を変更したり、米雇用統計で事前予想と大きく異なる数字が出たりする場合に、為替レートが大きく動きます。

情報を得るのは、比較的容易です。日本語と英語が読めれば十分ですし、様々な経路で情報が数多く発信されています。

ところが、トルコの場合は勝手が異なります。

英語よりもトルコ語の方が、より多くの情報を得られるでしょう。マスコミ等が情報発信してくれますが、アメリカ発の情報のように、質と量が十分というわけにはいきません。

すなわち、米ドル円を取引する場合に比べて、トルコリラ円の場合は、情報の質・量ともに限定的にならざるを得ません。

政治的・経済的安定性

2016年、トルコでクーデター未遂事件が発生しました。トルコ東部では、クルド人問題を抱えています。南部では、シリア関連で問題を抱えています。

日本やアメリカも、数多くの問題を抱えています。しかし、トルコの問題は、少々質が異なります。

国家の転覆可能性や、数多くの人命が危険にさらされるというレベルのリスクです。

すなわち、日米に比べて、トルコは政治的・経済的安定性に少々不安があります。この不安が顕在化すると、大きく円高になるかもしれません。

流動性

また、流動性リスクもあります。流動性とはすなわち、「買いたいときに買えて、売りたいときに売れるか」ということです。

トルコリラ円が大幅に下落したときに、「今が買いだ!」と判断したとしましょう。そして、買おうと思ったら、売ってくれる人がいなくて買えなかった…というのは困ります。

国際決済銀行(BIS)が、3年ごとに、通貨の取引高の調査をしています。

トルコリラが含まれる通貨ペアの取引高について、1日あたり取引高(10億ドル)と世界全体に占める割合(%)は、以下の通りです。

取引高(10億ドル)割合(%)
200760
2010291
2013711
2016731
2019711

調査対象が世界ですから、取引高は大きな数字になります。しかし、世界全体から見ると、わずか1%しかありません。

このため、何か大きなショックがあって世界の為替取引が混乱すると、トルコリラの取引が期待通りにできない可能性があります。

例えば、スプレッドが大変広くなってしまったり、一時的に為替レートが配信されなくなったりする事態です。

FX業者は、インターバンク市場(銀行間取引市場)の為替レートを基に、顧客に為替レートを配信しています。下の図の通りです。

FXの仕組み

インターバンク市場で為替レートが配信されなくなれば、FX業者は顧客に為替レートを提示できなくなります。

流動性が低い状態で巨大なショックがある場合、取引したくてもできないというリスクが心配です。

相場の消滅

そして、取引したくてもできない状態が極端になると、相場が消滅します。相場が消滅すると、以下の事態になります。

  • 新規の売買ができなくなる
  • 現在保有しているポジションは、全て決済される

直近では、2008年のアイルランド・クローネが該当します。リーマンショックの煽りを受けて、相場が消滅してしまいました。

アイルランドとトルコでは、経済規模や人口があまりに違います。よって、相場は消滅しないと期待したいですが、確率はゼロだと断定できませんので、留意したいです。

新興国全般に当てはまる

以上考察したリスクは、新興国通貨ペア全体に当てはまります。具体的には、南アフリカランド円です。

リーマンショック当時、南アフリカランド円も相場が消滅するのでは?と警戒されていました。FX業者は、相場の消滅に関する注意を顧客に配信していました。

最終的に、南アフリカランド円の相場は維持されました。新興国通貨ペアの取引の際には、注意したいです。

新興国通貨ペアを取引するときの姿勢

以上、少々脅かすような話になりました。しかし、リスクがあるからこそ利益を狙うチャンスがあるとも言えます。

例えば、リスクが極めて小さい代表格は、預貯金です。しかし、預貯金でどれだけ稼げるか?というと、ほぼ稼げません。

そこで、株やFXで資産増加を狙うことになります。

株やFXには、損失リスクがつきものです。トルコリラ円に限らず、リスクが顕在化しても大丈夫な状態でトレードして、徐々に資産増加を目指しましょう。

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