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「経常赤字→円安」は本当か?(米ドル編)

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星条旗日本の貿易収支は赤字になり、経常収支も赤字になろうかとしています。
これを受けて、「経常収支赤字は円安に作用する」ということがしばしば言われます。

これは本当なのでしょうか?4回シリーズでお送りします。
第1回目の今回は、経常赤字の先輩格である米ドルを題材にして、米ドルと経常赤字の関係を調べました。
 


米ドルが強くなるか弱くなるかを考えるとき、比較対象が必要です。
USD/JPYだったら、比較対象は円、USD/CHFだったら、スイスフランです。

しかし、二国間の経済力を反映したレートとなりますので、米ドルの強さを測る指標としては今一つです。そこで、今回はドルインデックス(the broad, real index)を使用します。

ドルインデックスは、諸外国の通貨と比較して米ドルがどうなのか?を示してくれます。 
ドルが諸外国通貨よりも強くなれば数字が上昇し、逆なら下落します。米ドルの強弱を読む指標として使われます。

では、グラフをご覧ください。経常収支赤字の単位は10億ドルです。

ドルインデックス・経常収支

さて、 経常収支とドルインデックスのグラフを縦に並べたのですが、その関係が良く分かりません。

そこで、相関係数を計測します。
相関係数は、-1に近いほど負の相関、1に近いほど正の相関ということを示します。

1995年から2013年までの経常収支とドルインデックスの相関係数は以下の通りでした。

-0.04839

すなわち、経常収支と米ドルの強さの間に有意な関係がなかった、ということです。 
為替レートは経常収支だけで決定されるものではありません。このため、このような結果になったのだろうと予想します。

色々な場面で「経常収支赤字拡大 → ドル弱体化」が言われてきましたが、理論と現実はしばしば異なります。報道を真に受けることなく、常に「本当はどうなのか?」を確認する姿勢が必要かもしれません。

であれば、円と経常収支の関係も、報道されるような関係があるのかどうか、疑わしいと思うのが自然です。
次回、円と経常収支の関係について書きたいと思います。

→ 「経常赤字→円安」は本当か(円の場合) (第2回)

経常収支データはOECDウェブサイトより引用
ドルインデックスのデータは米国商務省ウェブサイトより引用
 

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