237460-2時折、特定の通貨ペアの必要証拠金が引き上げられるという動きが見られます。「証拠金 引き上げ」といったキーワードで検索すると、FXに限らず、いくつも見つかります。

証拠金引き上げは相場変動率が高くなる時に出てくるようですが、その理由などを考察しましょう。

必要証拠金変更理由や効果の考察


必要証拠金を引き上げる理由を考えますと、一言で書くならば「顧客に借金返済を要求する事態を避ける」ということだと予想します。すなわち、いきなり為替レートが急落下するとき、強制ロスカットしてもなお証拠金不足になって、借金が発生するのを防ぐという目的です。

下の図で考えましょう。青の曲線は為替レートです。

強制ロスカット201601

上側の破線が、強制ロスカットになる為替レートだとします。

あるとき、為替レートが1の時点で強制ロスカットの条件を満たしました。FX業者のシステムがこれを検知して強制ロスカットしました。しかし、為替レートがあまりに急落下したので、実際に強制ロスカットが成立したのは2の為替レートでした。

1の時点で強制ロスカットできていれば、大損になっても証拠金はいくらか残るでしょう。しかし、2で強制ロスカットされてしまったので、赤の矢印の部分だけ損失が大きくなってしまいます。

この大きさがあまりに大きいと、損失は証拠金の額を超えてしまいます。すなわち、借金となります。顧客から見れば何としても避けたい事態です。その思いはFX業者も同じはずです。

そこで、必要証拠金を引き上げて、上の事態が発生しても借金が発生しないように予防します。


金融先物取引業協会によりますと、2015年8月24日の相場急落時に発生した、個人顧客のロスカット未収金(=顧客が借金を背負うことになったが回収できていない額)の様子は以下の通りです。
未収金発生件数: 4,820
未集金額合計: 828,000,000円(8億2,800万円)
1件当たり金額: 171,000円強
ロスカット未収金の発生は、顧客にとってもFX業者にとっても不幸です。証拠金引き上げは、これを防ぐ目的でしょう。

必要証拠金額を高く設定しますと、その分だけ資金効率が低下します。それはとても残念なことです。しかし、強制ロスカット発動の水準も高くなるため、仮に為替相場が急落下しても、FX業者に預けた証拠金の範囲内で損失を食い止めることが可能になります。

必要証拠金とはすなわち、私たち投資家を守るためのセーフティーネットです。


必要証拠金が引き上げられるときに注意すべきこと


自分が取引しない通貨ペアでしたら、証拠金が引き上げられても影響はないでしょう。特に注意が必要なのは、ポジションを持っている間に必要証拠金が引き上げられる場合です。

従来の必要証拠金だったらポジションを維持できていたのに、必要証拠金が引き上げられた途端に強制ロスカット水準に引っかかってしまって全決済!となってしまったら大変です。よって、ポジションを持っている場合は、現時点のレバレッジがどうなっているかの確認が必須でしょう。

また、普段からの心がけとして、強制ロスカットにかかるかどうか?という高いレバレッジでのトレードは避けるべきだと思います。


・・・とはいえ、ゆったり為替は、少額の場合ではありますが、レバレッジが20倍を超えるようなトレードをすることが稀にあります。それはデイトレードで、損失が発生した場合の額をあらかじめ計算していて、さらに、米ドル/円(USD/JPY)など流動性が極めて高い通貨ペアの場合です。

このようなトレードをすると、ロスカットを警告するメールが届く場合があります。変な緊張感を抱えながらのトレードになりますので、とてもお勧めできるものではありません。

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