096955-2昨日の記事「FX業者による、一部通貨ペアの証拠金引き上げを考える」では、2015年8月にロスカット等未収金が発生し、FX業者がそのお金を回収できていないという様子を見ました。

2015年にはこの事態が2回発生しているようですので、その内容を確認しつつ、資金管理の重要性を考察しましょう。 

顧客の未返済借金の状況


金融先物取引業協会によりますと、昨年、ロスカット等未収金が発生したのは以下の通りです(法人除く)。ロスカット等未収金とは、相場変動などにより口座内の証拠金全額が失われ、さらに大きな損失となったために借金となったのですが、顧客が返済していないという状態です。

なお、同協会のウェブサイトには2件のみ掲載されていますが、少数のロスカット等未収金の発生はもっと高い頻度で発生している可能性があります。
日時: 2015年1月15日
件数: 1,137件
金額: 1,948,000,000円(19億4,800万円)
1件あたり金額: 1,710,000円強
原因: スイスショック
日時: 2015年8月24日
件数: 4,820件
金額: 828,000,000円(8億2,800万円)
1件当たり金額: 171,000円強
原因: 南アフリカランド/円(ZAR/JPY)および米ドル/円(USD/JPY)の急落


ロスカット等未収金が発生したときの相場を振り返る


2015年1月15日の相場(スイスショック)

この時は、ゆったり為替もかなりやられました。後から考えると、巨大なスリッページ(または窓)が発生する場合に備えて売りを仕掛けておくべきでしたが、なぜかしませんでした。個人でトレードしている欠点が如実に出たと考えています。

なお、金融先物取引業協会のデータと見ますと、1件当たりの未収金が多額になっています。これは、巨大なスリッページ(業者によっては、一説には1,000pipsだったという噂も・・・!)が発生したことも影響しているでしょう。

スイスショックの考察につきましては、すでに数多くの記事を書きました。そこで、過去記事を参照くださいますようお願いします。

→ ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)=1.20撤廃時の為替レートと株価
→ ユーロ/スイスフラン暴落時のスリッページはどうだった?
→ 危機の時にこそ、FX業者の「本当の力」が示される(「FX究極のスワップ派」)


2015年8月24日の相場

8月24日前後の日足チャートを確認しましょう。チャートはトライオートからの引用です。矢印部分が8月24日です。

201508usdjpy日足

このチャートを見ると、過去3営業日にわたって2円(200銭)ほど円高になってから、8月24日に一気に6円(600銭)くらい円高になっていることが分かります。ジャブを何回も繰り出されて苦しいところに、強烈なストレートを食らった!という感じです。

この値動きで強制ロスカットになり、さらには借金を抱えた件数が5,000件弱も出てしまいました。


この数字をどのように教訓にするか


正直なところ、スイスショックの1,000pipsのスリッページはどうしようもないと思います。ゆったり為替がトレードしていたトライオートでは、3.7pipsのスリッページでした。通常ならば、3.7pipsという数字でも極めて大きなスリッページです。

しかし、その数字が極小に見えてしまうほどの強烈なショックでした。

一方、2015年8月の値動きに関しては、強制ロスカットや借金にならない対応は十分可能だったと思います。それは、以下の方法によります。


その1: レバレッジを低くする

8円~10円の為替変動というのは、月単位や年単位でみるとごく普通に発生します。その大きさの値動きで強制ロスカットになってしまうのは、レバレッジが高すぎると思います。レバレッジは少しでも小さくすべきと思います。

しかし、デイトレードなどでは高いレバレッジの取引をすることもあるでしょう。そこで、次の項目が必須となります。

その2: 損切り注文は必要不可欠

損切り注文のないトレードはとても怖いです。ゆったり為替の場合、損切り注文のないトレードは2つの場合だけです。

(1)為替レートが0.00になっても、強制ロスカットにならない場合(買いの場合)
(2)為替レートが過去最低値を大幅に下回っても、強制ロスカットにならない場合(買いの場合)

損失を限定的にするためにも、損切り注文は必要だと思います。

→ FX業者による、一部通貨ペアの証拠金引き上げを考える
→ ロスカット基準簡素化&経験者向けレバレッジ制限の創設を希望します!
→ 「ロスカット等未収金発生状況」から、あるトレード方法が浮かび上がる