522816-1日銀が思いっきり頑張っても、なかなか日本の物価が上昇しません。この理由は、とても簡単だと思います。

消費者物価指数(CPI)が上がらない理由: 少子高齢化と人口減


例えば、リンゴを10個生産する社会があり、その社会には10人いるとします。全員が1つ欲しいと考えているとき、需要と供給の大きさが一致します。物価は変動しないでしょう。

ところが、人口が減って8人になりました。リンゴは10個ありますが、8個しか売れません。しかし、売れなければ2個を腐らせることになり、業者は損してしまいます。そこで、値段を安くして何とか買ってもらおうとします。デフレです。

日本はこの状況に陥っていると予想します。

しかも、科学技術は年々発達しますから、生産性は向上します。人口は減るけれども生産性は上がる・・・これでは、物価は上昇しないです。

そして、少子高齢化で需要が盛り上がらないから企業は設備投資しませんし、海外から安い商品が輸入されますし、消費者は将来が不安で積極的に消費しようとはしませんし・・・物価が上昇する環境はなかなか整わないです。


では、日本では人口はどれくらいの速度で減っているでしょうか。総務省統計局ホームページで確認しますと、以下の通りです。

2011年:127,799千人
2012年:127,515千人(前年比28.4万人減)
2013年:127,298千人(前年比21.7万人減)
2014年:127,083千人(前年比21.5万人減)
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2030年(予測):116,618千人(2014年比1,046.5万人減)


日本の総人口は、毎年20万人以上減り続けています。中規模の都市が、毎年1つずつ消滅しているのと同じ計算です。しかも、高齢者比率が年々高くなっています。一般的に言って、高齢者は生産年齢人口よりも消費意欲は低いでしょう。

さらに、人口減少幅は今後拡大し続ける見込みです。

というわけで、人口減は、物価が上昇するための大きな阻害要因です。

なお、原油等の輸入物価が上昇すれば、日本の物価も上昇するでしょう。しかし、それは日銀が意図している物価上昇とは異なるはずです。

海外への所得移転が大きくなるだけだからです。

このように考えると、「長期的に見ると、日銀の努力は効果を持たない」と予想することも可能でしょう。単に効果がないだけならまだ良いかもしれませんが、日銀の政策(国債購入など)は永続不可能です。行きつく先には何が待っているでしょうか。

→ これは困ったぞ・・・というわけで、言葉を濁して逃げた質問(日銀の政策について)

また、人口減少によりGDPそのものも継続的に縮小する可能性があります。GDPは産出された付加価値の合計と定義されますが、人がいなければ付加価値は作られないでしょう。経済は人が主役だからです。

人口が減れば、その分だけGDPも縮小しやすくなるでしょう。


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