catニュースのヘッドラインを流し読みしていたら、中国の格付が引き下げられて豪ドルが下落したというニュースを目にしました。

そこで、豪州と中国の結びつきがどれくらい強いのかを確認しましょう。
通貨ペアを検討する場合、その通貨ペアを構成する2国の経済指標を眺めることが一般的だろうと思います。例えば、米ドル/円(USD/JPY)だったら、米国と日本です。為替レートは両国のバランスで動きますから、片方だけの分析では不十分でしょう。

しかし、中国が発表する統計をそのまま受け入れることは、残念ながらできません。作られた数字だという疑念が常に付きまといます。

TWIとは

そこで、豪州側の数字で確認しましょう。TWI(trade weighted index)です。このTWIですが、豪州の中央銀行が使います。豪州は多くの国と付き合いがありますので、その国の数だけ為替レートがあります。

すると、「今の豪ドルは高いか、それとも安いか?」を考えるとき、参照すべきデータが多すぎて良く分かりません。恣意的な判断になってしまうかもしれません。

そこで、各国との貿易量等を反映して、一つの数字にしました。これがTWIです。TWIの数字の推移を見れば、現在の豪ドルは全体として強くなっているのか、それとも弱くなっているのかが分かります。金融政策を考える際にも役立つでしょう。

TWIの推移と分析

そして、各国の貿易量等がTWIに与える影響度を数字で表し、グラフ化したものが下の表です。データは豪州準備銀行からの引用です。上位3か国のみの表示です。数字が大きいほど、豪州経済に与える影響度が大きいことを示します。

twi

これを見ると、中国がほぼ一直線に右肩上がりだと分かります。現在では、2位、3位を占める日米を足した数字よりも大きいです。

上のグラフから予想できますとおり、豪州の主要輸出先は中国です。すなわち、「中国がくしゃみをすると豪州は風邪をひく」「中国が風邪をひくと、豪州は肺炎になる」という、大袈裟な表現も可能になる…かも。

よって、中国の格下げニュースは豪ドルの下落要因となります。

なお、ゆったり為替は、2014年に数字が頂点を付けていることに注目しています。その後、2015年、2016年と数字が下落しています。すなわち、わずかですが中国の影響度が下がってきています。この傾向は今後も続くか、それとも一時的なものか。これに注目しています。

なお、日本の影響度は下落の一方です。日本の総人口は毎年数十万人減少しています。その分だけ直接的に需要が減りますから、上下動を繰り返しつつも、長期的には下落トレンドが続くかもしれません。

→ 豪州の政策金利発表:TWIを頭に入れつつ読んだ方が良い