087014-2米雇用統計では前月比の雇用者数増減に注目が集まります。

しかし、米雇用統計では様々なデータを公開しています。そこで、今回は平均時給の推移を確認しましょう。何か分かるでしょうか。

下の表は、平均時給の前月比増減率を示しています(季節調整済み)。

米国平均時給20160714

このグラフを見る限り、「平均時給の動向だけで景気動向を考えるのは困難」だと分かります。

リーマンショックやその後の混乱期だった2008年~2009年でさえも、時給は毎月上昇を続けました。その一方で、2011年や2012年などで時折マイナスに転じている場面があります。

2015年には米国の景気拡大が明らかになっていますが、平均時給が下がる場面が見られます。


前月比でマイナスに転じた月に注目してみましょう。上のグラフでは8回ありますが、全ての場合で、翌週には急反発してプラスに戻っていることが分かります。

景気の良し悪しに関わらず、平均時給は下方硬直性があると予想できます。


以上のことから、FXの観点から見ると、他の指標と合わせて使えば何とか利用価値があるかも・・・というくらいの指標のようにみえますが、いかがでしょうか。


というわけで、「平均時給も増加しており、米国の景気拡大はより一層明確に・・・」という報道が仮にあったとしたら、その報道は私たちの認識をある方向に誘導しようとしているかもしれません。

というのは、2008年~2009年でさえも毎月プラスだったのですから、平均時給が前月比でプラスだから景気は良いと言うのは無理があるためです。

何か経済指標を考えるときには、直近の数字だけでなく、過去10年程度以上の数字をグラフ化してみると、理解がより深まると思います。

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