featured-image先日の記事「先進主要各国の長期の政策金利を概観」で、世界の政策金利の引上げ・引下げトレンドは、大雑把に見て一致していることを確認しました。

ということは、どこかの国の政策金利トレンドを確認すれば、世界全体のトレンドも分かるかも?という気がします。そこで、調査しました。

最初に、2000年以降の各国・地域の政策金利を概観しましょう。先日の記事と同じものです。各国がバラバラに動いているように見えなくもないですが、全体としてある程度の相関性があるように見えます。

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世界で最も経済力が大きいのは米国です。そこで、米国を基準にしてみましょう。上のチャートは2000年以降と長期になりますので、もっと期間を絞ったグラフで考察します。

2000年~2002年の政策金利

下のグラフは、上のグラフから2000年~2002年部分を切り取ったものです(以下同じ)。縦の破線を加えていますが、これは、米国が政策金利の方向性を転換したタイミングを表しています。

政策金利1

これを見ると、米国が政策金利を引き下げ始めた後、各国も政策金利を引き下げていることが分かります。どの期間でも、同じような傾向が確認できるでしょうか。次のグラフを見てみましょう。

2004年~2006年の政策金利

次に、2004年~2006年の様子を確認しましょう。縦の破線が米国の政策金利引上げ転換を示します。米国の政策金利トレンド転換以降、どの国もおおむね政策金利を引き上げていることが分かります。

政策金利2

ただ、イギリスだけは、上昇なのか下落なのか一定せず、フラフラしているように見えます。しかし、全体としては上昇しているといえるでしょう。

2007年~2009年の政策金利

次に、2007年~2009年を確認しましょう。米国が政策金利を引き下げトレンドに転換した後、おおむね各国も政策金利を引き下げています。豪州だけは頑張って(?)政策金利引上げトレンドを維持していましたが、2008年後半には引下げを余儀なくされています。

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2015年~2017年の政策金利

最後に、2015年~2017年を確認しましょう。米国が政策金利を引き上げ始めても、豪州とニュージーランドは引き続き引き下げトレンドを維持していることが分かります。

政策金利

これは、米国が政策金利を引き上げに転換したといっても、そのペースが極めてゆっくりなことが影響しているでしょう。2015年12月に政策金利を引き上げトレンドにした後、2回目の政策金利引上げまでに1年近くを要しています。

すなわち、経済の勢いがあまり強くないということを示しているでしょう。

しかし、2016年後半から米国の政策金利引上げペースが速くなると、カナダとイギリスも政策金利を引き上げていることが分かります。豪州とニュージーランドの政策金利引き下げも止まっています。

以上の通り考察しますと、米国の政策金利動向を確認しておけば、世界全体の政策金利動向を把握することも可能だろうといえそうです。