featured-image今回は、読者の皆様のお便りから。前回に引き続き、ひらたさんです。

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先週は私の質問を記事にしていただきありがとうございました。あつかましいのですが再度質問させてください。

自分は豪ドル/円の買いの手動トラリピをやっていたのですが、今回の円安でポジジョンがなくなってしまったので、次は豪ドル/スイスフランの買い手動トラリピに移行しようと思っています。

そこで過去記事2016/10/17を拝見したところ「どこまでもポジジョンを維持し」とあったのを見て、税金対策として年末に損切りしないのだろうか?と疑問に思ったところです。

というのも他の方のブログで「含み損がある場合は年末にそのポジジョンを切って下で入り直し、切ったポジジョンと同じところに決済の指値を置いておけば税の支払いを先送りできるから得」のようなニュアンスの記事を見たからです。

トラリピは損切り無しが基本だと思いますが、ゆったり為替さんこの年末の損切りについてどのようにお考えでしょうか?

本当にド素人ですみません。ご意見だけでもいただけたら幸いです。よろしくお願いします。 
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ひらたさん、再びありがとうございます。書きたい論点が複数ありますので、つらつらと書いてみます。

円安になったので、豪ドル円のポジションがなくなった

素晴らしい取引設定です。短期トレードならばともかく、長期トレードをする場合、現在の為替レートは取引しづらいです。

下のチャートは、豪ドル/円(AUD/JPY)の超長期チャートです。80円台後半よりも上では、買いのトラリピを仕掛けるのはちょっと…という感じがします。

audjpy-chart

というのは、今後再び円高がやってくる場合、90円程度以上で買いポジションがあると、含み損が大きくなってしまうからです。

含み損が大きくなっても構わないだけの証拠金を入れておけば大丈夫ですが、巨大な含み損は面白くありません。別の通貨ペアで取引したくなるかもしれません。

ゆったり為替の豪ドル/スイスフラン

ゆったり為替が取り組んでいる豪ドル/スイスフラン(AUD/CHF)は、2015年1月のスイスショック前に買った、どうしようもないポジションです。

ただ、スワップポイント狙いの取引ですので、損切りを想定していません。AUD/CHF=0.5000でも十分に耐える状態です。その結果、スイスショックを耐えて現在に至ります。この、一見するとあり得そうもない為替レートでもOKという状態にするのが、長期トレード成功の秘訣と思います。

ただ、含み損が大きいので面白くありません。

では、このどうしようもないポジションをどうするか?ですが、「その年に得た収入の範囲で損切りする」という方法をとっています。

例えば、ある年のスイスフラン収入見込みがCHF10,000だったら、CHF10,000まで損切りしてもOKということです。こうすれば、支払うべき税金を圧縮できます(心情的に、収入よりも大きく損切りして赤字にはしたくありません)。

こうすれば、巨大な含み損があったはずなのに、毎年プラスの成績で過ごし、最終的に含み損だったポジションが消えてなくなります。

損切りした分のポジションは、今のところ追加で買っていません。豪ドル/スイスフラン=0.7000をしっかり割ったところで、長期保有とリピート系注文の合わせ技で大きく攻めていこうと考えています。

含み損ポジションを使った、税金支払いの先送り

ひらたさんが言及している税金支払いの先送り方法は、有効だと思います。あえて問題を探すとすれば、3つでしょうか。

検討課題1:

「含み損がある場合は年末にそのポジジョンを切って下で入り直し、切ったポジジョンと同じところに決済の指値を置い」た場合に、再び為替レートがその位置まで到達するでしょうか?

損切りしたポジションがあまりに面白くない位置にあった場合は、損切りして終了というのも選択肢になるでしょう。

検討課題2:

この税金圧縮方法がうまくいったあと、注文を再設定する必要があります。この手間が面倒臭いかもしれません。

「わずかなこと」かもしれません。しかし、これはかなり面倒です。

・年末に税金対策でポジション調整をした
・翌年(あるいは、数年後以降)に、その調整したポジションが期待通り決済できた
・その後、当初の注文に戻す

時間軸が長いので、エクセルなどで別途管理する必要があります。調整した取引注文の件数が多い場合、エクセルによる管理をしないと、どこかで間違える可能性があるでしょう。

検討課題3:

損失の繰り越しができるのは3年間です。あまりに大きな額の赤字を確定してしまうと、3年以内に黒字で埋め合わせができないかもしれません。

来年の成績がプラスになるかどうかも分かりませんし、赤字にしてまで税金支払いを先送りするのは、ゆったり為替ならばしたくありません。

豪ドルスイスフラン(AUD/CHF)という選択

最後に、豪ドル/スイスフラン(AUD/CHF)のリピート系注文はどうなの?という話を考えます。長期でボックス相場を形成していたのですが、2015年1月以降、チャート形状が変わっています。別のステージに入ったという感じがします。

よって、0.9000や1.000といったあたりまでの上昇を期待するのは、少々難しいかもしれません。

あとは、どこまで下落する可能性があるか?です。長期で見るならば、2015年1月のスイスショックでも余裕で耐えられる資金量投入が望ましいと考えています。短期ならば、そこまで考えなくても良いと思います。

なお、投入すべき資金量を計算するときに重要なのが、「必要な資金量はスイスフランで計算される」ということです。米ドル/円(USD/JPY)だったら、必要な証拠金量は円で考えます。同様に、豪ドル/スイスフランだったら、必要な証拠金はスイスフランで考えます。

ただ、スイスフランのままでは分かりづらいので、円に換算して考えることもあるでしょう。

ただし、現在のスイスフラン/円は110円~120円あたりを推移していますが、必要な資金を計算するとき、この数字を使うべきではありません。

というのは、スイスショックの時、スイスフラン/円はいきなり160円になりました。証拠金を円で入金している場合、必要な証拠金はいきなり跳ね上がることになります。

例:必要な証拠金が1万スイスフランの場合
スイスフラン/円=110円のとき、必要な証拠金は110万円
スイスフラン/円=160円のとき、必要な証拠金は160万円

必要な証拠金は1万スイスフランで同じなのに、為替レート次第で、必要な円の大きさが変わってしまいます。

そして、実際にこの計算が役立つような場面がやってくるとき、スイスフラン/円は200円になっているかもしれません。110万円でOKと思っていたら、実際には200万円必要で強制ロスカットになってしまった…というのは、困ります。

そして、円ベースで実際にいくら必要になるか。それは、その時になってみなければ分かりません。

不確実性を排除

ゆったり為替は、この種の不確実性が嫌いです。そこで、選択肢となるのが、「スイスフランを証拠金にできるFX口座で取引する」ことです。証拠金をスイスフランで保有しておけば、この記事で検討している大きなリスクを一つ排除できます。

そして、豪ドル/スイスフランから得られる収益はスイスフラン建てです。通常は、自動で円に両替されます。しかし、ゆったり為替は、このスイスフランを円転しないで、スイスフランのまま保有したいです。来るべきスイスフラン高に備えるためです。

今、スイスフランを持っていないとしても、これからリピート系注文で得られる収益をスイスフランのまま保有すれば、上で考察したリスクを徐々に排除できます。

最終的に、口座内に十分なスイスフランが積みあがることを期待します。

ただし、「外貨を証拠金にできる」「トレード収益を、外貨のまま保有できる」というFX口座はほとんどありません。

そして、この計算が生きるような事態になるときは、何らかのショックが起きている可能性があります。その際にFX業者が破たんしては困ります。よって、業界でも最高水準の格付が欲しいです。

…というわけで、ゆったり為替が豪ドル/スイスフランを取引する際に使う口座は、常にセントラル短資FXの一択です。



→ 豪ドル・NZドル・円の3通貨トラリピで、長期の両建て戦略