トレードをする場合、将来に注目しがちです。それは当然で、FXの目的は、トレードで資産を増やすことだからです。資産増加は、将来の話です。
チャートを見る場合だけ、過去に注目するかもしれません。チャートは、過去の為替レート情報の集まりです。
トレードを分析する重要性
ところが、過去を振り返る際、もう一つ注目すべき点があります。それは、自分のトレード成績です。
- 今日の成績はプラスだ。素晴らしい。
- 今日はマイナスか。面白くないな。
ということではありません。どれだけ完璧に取引を始めても、気まぐれな相場によって損になることがあります。
そこで、自分の取引結果を眺めます。すると、傾向が見えるかもしれません。
- 買いの勝率が高い
- 売りは勝率が低いけれど、損益はプラスだ
- 特定の通貨ペアで成績が悪い
- 取引数量が安定していない
こういった傾向があれば、トレードを改善するチャンスです。
例えば、特定の通貨ペアで成績が悪いのなら、その通貨ペアでのトレードをお休みすれば良いのでは?と分かります。
損のトレードが減る分だけ、成績は向上するでしょう。
分析方法が分からない
ところが、問題があるかもしれません。分析方法が分からないという点です。
ゆったり為替の場合は、エクセルを使います。自分のトレード分析に必要だと思う項目を並べ、トレードするたびにエクセルに入力していきます。
そして、計算式を使って統計を取ります。この方法には、いくつか問題点があります。
- エクセルを使いこなせる技術が必要
- デイトレードなどでは、忙しくなりすぎるかも
- 面倒臭いかもしれない
FXのためにエクセルの勉強をしたいという人は、とても少ないでしょう。
デイトレードやスキャルピングを中心にする場合、エクセルにトレード内容を転記していると、忙しくてトレードに集中できなくなるかもしれません。
よって、自動で分析してくれるツールがあれば、助かります。
FX業者の中には、自動でトレード分析するツールを公開しているところがあります。3つご案内しましょう。3つとも、無料で使えますので安心です。
DMMFX「取引通信簿」
DMMFXでは、グラフと表で自分のトレード状況を把握できます。下の画像は、取引通信簿の例です。
上の画像で表示されている項目は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
損益推移 | 時系列の損益グラフ |
銘柄数量比率 | 取引した通貨ペアの割合 |
利益金額比率 | 稼げている通貨ペアの割合 |
損失金額比率 | 損している通貨ペアの割合 |
売買数量比率 | 買いと売りの数量の割合 |
損益数量比率 | 損の取引と利益の取引の比率 |
買トレード損益 | 買い取引の利益・損失比較 |
売トレード損益 | 売り取引の利益・損失比較 |
上の項目を、任意の期間を指定して分析できます。また、下の通り、分析結果を表示することもできます。
こういった情報を、自分でエクセルで作るのは大変です。自動で分析してくれますので、重宝します。
セントラル短資FX「パーソナルレコード」
トレードを3種類(買い取引、売り取引、売り買い合計)に分けて、それぞれについて損益や最大損失など16項目について分析してくれます。
また、損益の状況を分かりやすいグラフで表示してくれます。
プロフィットファクターや最大ドローダウンといった用語は、意味が難しいうえに忘れがちです。しかし、問題ありません。
マウスポインタを用語の上に置くと、説明が出てきます。
分析の対象期間は、日別の場合は最大で8週間、月別の場合は最大3年間です。
表示できる項目は、以下の通りです。
項目 | 内容・備考 |
取引回数 | 取引した回数 |
利益回数 | 利食いしたトレード回数 |
損失回数 | 損切りしたトレード回数 |
勝率(%) | 利食いできた確率 |
プロフィットファクター | (総利益)/(総損失) |
損益 | pips表示 |
総利益 | pips表示 |
総損失 | pips表示 |
最大利益 | pips表示 |
最大損失 | pips表示 |
平均損益 | pips表示 |
平均利益 | pips表示 |
平均損失 | pips表示 |
平均保有時間 | 秒単位まで表示 |
最大ドローダウン | 損益曲線の最大値から最低値までの距離 |
スワップ損益 | スワップポイントの累積額 |
マネーパートナーズ「トレードレポート」
トレードを5つの評価項目にに集計し、5角形のグラフで表示してくれます。このため、どこが良くてどこが悪いのかが一目瞭然です。
評価項目は、以下の通りです。
- 収益
- 勝率
- 効率
- 滞空時間(ポジション保有時間)
- 約定ムラ(取引数量のばらつき)
また、データに基づいたアドバイスも同時に得られます。すなわち、数字を見て自分で判断するという煩雑さから解放されます。
このトレードレポートは、月間取引回数が50回以上になると使用できます。デイトレード向けのシステムでしょう。
各評価項目ごとに表示される小項目は、以下の通りです。多岐にわたっていることが分かります。
また、単語の意味が分からなくても大丈夫です。分からない文字の上にマウスポインタを置くと、その単語の解説が表示されます。
勝敗結果
- 直近10取引の勝敗経過
- 1回あたり最大収益
- 1日あたり最大収益
約定結果
評価項目1:収益
- 収益率
- 利益(円)
- 損失(円)
- 開始建玉評価損益
- 終了建玉評価損益
- 建玉込み収益
評価項目2:勝率
- 勝率(%)
- 勝ち約定件数
- 負け約定件数
評価項目3:効率
- 収益効率比(勝:負)
- 勝ち約定数量
- 負け約定数量
評価項目4:滞空時間
- 平均滞空時間
- 滞空時間(勝ち)
- 滞空時間(負け)
評価項目5:約定ムラ
- 約定数量ムラ
- 最大約定数量
- 標準偏差
3つのツールのうち、どれが良いか
3つの分析ツールをご案内しました。では、この中で最も良いのはどれでしょうか。優劣について断定的に書くことは、とても難しいです。
今まで独自の分析ツールを使っている場合、そのツールを使い続ければ十分でしょう。
新規に分析ツールを使う場合が多いのでは?という点を考慮しますと、マネーパートナーズが良いかもしれません。
と言いますのは、数字に加えて文章で評価してくれるからです。また、数字は5角形のレーダーチャートで視覚化してくれます。
数字だけを見て考えるよりも、理解しやすいでしょう。
なお、グラフという点では、DMMFXも分かりやすいです。各項目について円グラフで見られますので、分かりやすいです。
最終的には、それぞれ使ってみて、自分に合ったものを使えばOKでしょう。
分析ツール使用の注意点
これらのツールは有用ですが、その効果を急降下させてしまうトレード方法があります。
それは、いくつものトレード方法を同じ口座で実践してしまうことです。
たとえば、デイトレードとスイングトレードを同じ口座で実行したとしましょう。ツールで出てきた分析は、両方のトレード方法が混在したものになってしまいます。
デイトレードは良好でスイングトレードは今一つだったとしても、分析が正確にできません。
このデメリットを回避する方法は、簡単です。たとえば、デイトレードはDMMFX、スイングトレードはセントラル短資FXといったように、トレード方法ごとに口座を分けます。
こうすれば、分析も容易になります。
また、このように複数の口座を使うことには、メリットがあります。例えば、ある会社がシステムトラブルでトレードできない時に、他社の口座でトレードするといった具合です。
1社しか口座を持っていないと、その会社でトラブルが発生した時にトレードチャンスが来ても、トレードできません。
リスク管理の一環として、複数口座の保有が望ましいです。