ケーキセット

~~~ 今までのあらすじ ~~~
タケシは、伝説のトレーダーと言われるサリーから、FXの授業を受けることになった。
今日は授業の2回目である。
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エレベーターで上の階に上り、喫茶店に入る。
高層ビルから見る街並みはとてもきれいだ。下を歩いている人がアリのように小さく見える。

洒落たビルに入居している喫茶店だけあって、内装はとてもきれいで、かつ落ち着いた雰囲気だ。
喫茶店でお金の話をするのはどうかなあ・・・と思っていたのだが、おそらく商談もなされる場所なのだろう。半個室とまではいかないまでも、別のテーブルの声が聞こえづらい作りになっている。
少し安心した。

「では、始めましょうか」
「はい」
「ここのケーキはとてもおいしいのよ。」

しばらく雑談をした後、本題に入った。


「最近、変なメールを受け取っているんですが、それについて話していいですか?」
「ええ、どうぞ。どんなメール?」
「変なメールのほとんどは自動で迷惑メールとして処理されます。だから読むことはないんですが、たまたま受信箱に入った変なメールを読んだら、今日の相場予想を送り付けてくるメールでした」
「なるほど。それで?」
「読むだけ読んで放っておいたんですが、次の日も来たんですよね。それで、不思議なことに、2日間ともその予想が当たってました」
「まあ、2日間だけだったら簡単よね」
「次の日も、次の日もメールがきて、全部当たってました。数えたら、10日連続で当たってました。これをどう考えたらいいですか?」

「そのメールの文面を持ってる?」
「はい、これです」
そう言うと、タケシはメールのコピーをテーブルに広げました。

詐欺師のメール2 

「これは10日目に来たメールなんですが、この予想も正解でした」
「なるほどね。結局は、あなたからお金をもらおうとしているメールね」
「このカラクリが分かりますか?」
「本当に10回連続で当てたのかも知れないけれど、詐欺だと仮定すると、例えばこうよ・・・」

1) 1万件のメールアドレスを、どこかから手に入れる
2) 5千件のメールに「今日は上がる」と書いて送信して、残りの5千件に「今日は下がる」と書いて送信する。
3) 実際は上がったとしたら、上がると書いて送信したメールアドレスに対して、次の日、半分のメールに「今日は上がる」と送信し、残りには「今日は下がる」と送信する。
4) これを繰り返すと、およそ10人に10回連続当たりのメールが届く。そうすると、そのうち何人かはお金を出して情報を買おうとするかも知れないわね・・・。10連勝に達する前にお金を出す人もいるかも知れない・・・。

詐欺師の方法2
「また、この例では当たった場合だけ次のメールを送ることにしているけど、外れても構わずメールを送り続ける方法もあるわね。すると、9勝1敗とか、8勝2敗とかの高勝率も可能よ。メール文面を少し工夫すれば受信者を騙せるかもね」


「お・・・恐ろしいですね」
「悪いことを考える人は、どの世界にもいるものよ。FXの世界もそう。だから、怪しいメールは読まないことが鉄則よ。受信しても、すぐに迷惑メールとして処理しないと。ウィルスが仕込まれていたら大変よ」
「そうですね。ウィルスの可能性もあるんでしたね。以後、気を付けます」


トレードの世界はトレードのことだけを考えていればよい、と思っていたタケシ。今日の2件の相談で、実はそうではないことを知りました。サリーという先生がいなければ、もしかしたらトラブルに巻き込まれていたかも知れません・・・。

タケシは、気を取り直してトレードの話をすることにしました。このままでは、トレードの話をしないまま今日の授業が終了してしまうかも知れません。


「俺がやろうとしているトレード方法の話をしてもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
「トラップ系の取引をしようと思っています」 
「ああ、そう」
(注:トラップ系の取引の代表例はトラリピです。→ トラップ系の取引、集合!

「ああ、そう」とは、またつまらない反応だ。もう少し「それいいんじゃない?」とか「儲かりそうね」という反応を期待していたのだが。あまり面白くないなと、タケシは正直なところ思った。

「なぜトラップ系の取引をしようと思ったか、教えてくれる?」
「えっ・・・と、まず、最初に設定しておけば、あとは何もしなくても利益を得られることです。多くのブログに儲かると書いてありますし、年率20%~30%くらいは狙えそうです。税引き後20%の利益として複利で儲ければ、10年後には資金は6倍、20年後には38倍になります。年金問題も、老後の生活資金も医療費も、全てこれで解決できるかも知れません」


サリーは俺の言葉に何も感じるものがないようだった。この方法はとても良いと思うのだが。俺が見落としている問題が何かあるのだろうか・・・

「じゃあ、質問していいかしら?」
「はい、どうぞ」
「トラップ系の取引はかなり昔から知られている方法よ。あなたの言うように儲かるならば、今頃は億万長者がたくさんいてもおかしくないんじゃない?」
「え・・・ええ。そうですよね」

「でも、そんな億万長者はいるかしら?」
「うーん・・・俺は知りませんけど、どこかにいるかもしれません」
「そうよね、どこかにいるかも知れない。でも、そういうレベルよ」

「え?そういうレベルって、どういうことですか?」
「儲かる人がいるとしても、本当に儲かっている人はとても少ないのでは?っていうことよ」

「ということは・・・儲からない、ということですか?」
「儲からないとは言っていないわ。トラップ系の取引には見過ごせない欠点があるということよ」
「欠点・・・!! その欠点とは何ですか?」

「それは・・・」
タケシはサリーの次の言葉を逃すまいと、意識を集中した。

10 ・・・

9 ・・・

8 ・・・

7 ・・・

なぜかサリーがカウントダウンを始めた。よほど重要なことを話してくれるのだろうか・・・!!

6・・・


5・・・



4・・・





3・・・







 2・・・







 1・・・





    
  それは







「自分で調べましょう」


「え・・・?自分で調べる・・・ですか?」
あまりに期待と異なる回答に、タケシはガッカリ感を隠すことができなかった。

「あのカウントダウンはいったい何だったんですか?!」
「ごめんごめん。ちょっとした冗談よ」
「サリーも冗談を言うんですね。びっくりしましたよ!」

「私は”気づき”を教えるだけよ。そこから先はあなた次第」
「はあ・・・なかなか厳しいですね。カウントダウンで引っ張られた後だけに、余計厳しいです」
「問題点が分かれば、対処法を考えることができるわ。そうすれば、損する可能性をより小さく、利益を得る可能性をより高くすることも可能かもしれないわよ」

仕方ありません。タケシは、自分で調べて答えを探すことにしました。

「サリーって、厳しいですね」
「どうして?」
「なかなか答えを教えてくれないし・・・」

「前回の授業で、あなたは私ではないから、私がベストだと思う方法を教えることはないと言ったよね」
(→ 小説:伝説のFXトレーダー(FX小説その1))
「はい」
「もう一つ、理由があるのよ」
「もう一つ?」

サリーは意地悪で情報を出し惜しみしているのではないようだ。そんなことは初めから分かっているのだが。

「あなたはいつまでも私から授業を受けるわけにはいかないでしょう?」
「ええ」
「だから、今のうちに、自分の力で問題に対処する方法を身に着けておく必要があるの」
「まあ、そうですよね・・・」
「将来のいつか、対処不可能に思える大きな壁を越えなければならないときが来るかもしれない。そのとき、今の訓練が役に立つかもしれないわよ」
「はい・・・」

サリーの言っていることは良く分かる。自分でやる必要が確かにある。しかし、しんどいなあ・・・。

(つづく・・・かどうか未定)

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→ 小説:伝説のFXトレーダー(FX小説その1)
→ タケシを待ち受ける罠(FX小説その2)