052159全4回シリーズの最終回です。
過去3回の記事で、経常収支が為替レートに与える影響は僅少だという結果が出ました。

これは、「経常赤字化 → 円安」の心配はしなくても良い、ということを意味しているのかどうかを考えます。
 

平常時においては、何も心配することはないと思います。いつも通りの生活を送ることができるでしょう。

しかし、外国為替の主役を演じる面々(投資銀行、年金、保険など)に経常赤字が注目される状況になると、厳しいかもしれません。

1. 経常赤字ということは、お金が海外に流出するということ。
2. 流出する分に相当する額の資本が日本に集まる仕組みが機能する間は問題がない。
3. 日本財政の持続性などに疑念が生じ、 海外からの資本流入が滞ると、海外への支払いが厳しくなる。
4. これに目を付けた外国為替市場参加者が、一気に日本円を売り浴びせる。

こんな感じになると、円安が進みます。こうなってしまうと、

1. 物価高
2. 金利高
3. 円安

この3つが同時に発生してしまうので、日本経済は極めて厳しい場面に遭遇するかもしれません。
ギリシャなどが危機に直面したときは、EUやIMFが支援してくれました。しかし、日本は大きすぎて支援できる国や機関がありません。 

IMFは日本の拠出金が大きな割合を占める機関です。そのような機関が日本を支援するというのは変な話です。また、IMFは日本を支援するには小さすぎます。アメリカが支援してくれるかも知れませんが、その見返りに大幅増税や超緊縮財政を要求してくるかもしれません。

というわけで、「経常収支赤字でも構わないが日本の健全性維持が重要です」という結論でこのシリーズを終了させていただきます。

→ 「経常赤字→円安」は本当か?(米ドル編) (第1回)
→ 「経常赤字→円安」は本当か?(円の場合) (第2回)
→ 経常収支が為替レートに反映されにくい理由 (第3回)