044617-2今回は、全4回シリーズの3回目です。
過去2回にわたって、経常収支の推移が為替レートに反映されにくいことを見てきました。
 
経常収支赤字になれば、お金が海外に流出します。お金を海外に支払うには、円を売って外貨を買って、その外貨で払います。
よって、自国通貨安になると予想できるのですが、そうなりにくい理由を考えてみます。 
 
理由を考えるには、何かデータが必要です。
国際決済銀行(Bank for International Settlements)が3年ごとに公表しているデータをざっくり眺めました。 

そのデータによると、世界中の外貨取引高(=FX取引高)は、1日で5.3兆米ドルです。
すなわち、1日で500兆円以上が取引されています。1年間の営業日数を250日とすると、1年間の取引高は以下の通りです。
5.3×250=1,325 兆米ドル(13京2500兆円以上)

日本や円に関係のない取引もたくさんありますが、それを割引いても巨額です。

一方、日本の1年間の経常収支を語る場合、その単位は1兆円単位です。
1年間で1兆円単位です。1日ではありません。


経常収支の額をはるかに凌ぐ圧倒的な額がFXの世界で動いていることになります。 

このため、経常収支の動きが為替レートに反映されにくいのはむしろ当然なのかも知れません。


→ 「経常赤字→円安」は本当か?(米ドル編) (第1回)
→ 「経常赤字→円安」は本当か?(円の場合) (第2回)