(最終更新日:2015年5月27日)

両建てトラリピ検証シリーズの2回目です(全10回)。今回は、両建てトラリピの課題を考えてみます。

欠点や課題がないトレード方法があれば良いのですが、残念ながら欠点のないトレード方法はないようです。

実際にトレードするかどうかの判断は、メリットとデメリットを確認してからにしましょう。

<メリット>
1 ロング(買い)とショート(売り)の両方の証拠金を準備する必要がなく、片方のみでよい(max方式の場合)。
2 為替レートの下落・上昇いずれでも利益を狙える。

<デメリット>
3 日々のスワップポイントがマイナスになりうる。
4 トラップのレンジを外れた場合の対応が難しい。

この中で、最も難題と思うのは4です。


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<レンジが狭いとき>
AUDJPYトラリピ2

レンジが狭ければ、あまり困難はないかもしれません。

例えば、為替レートが5円幅のボックス相場にあると判断する場合、その5円の間にロングのみのトラリピでなく、ショートのトラリピも入れれば、利益獲得機会は2倍となるでしょう。

為替レートがボックス相場を外れれば、ポジションを全て決済することになります。レートがボックス相場を外れる前に、いかにリピート回数を増やすか。これが勝敗を分ける鍵です。

・・・しかし、あまり困難はないと言っても、為替がボックス相場にあるという判断をしなければなりません。

為替がボックス相場である、今後もしばらくボックス相場であり続ける。この二つの判断が適切にできる能力があるならば、裁量トレードでも良好な成績を収めることができるのではないでしょうか。

トラリピが多くの人に受け入れられている理由の一つは、予想しない、または、予想できなくても良い、ということだと思います。レンジが狭い両建てトラリピは、少々難易度が高いと思います。

逆に言えば、これらの判断ができる人にとっては、両建てトラリピはとても有効なトレード手法だといえるでしょう。

結論: トラップ範囲の狭い両建てトラリピは、中級以上のトレーダー向けでしょう。


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<レンジが広いとき>
AUDJPYトラリピ

では、レンジがが広い場合はどうでしょうか。

例えば、AUD/JPY。過去20年以上の長期チャートを見ると、55円~105円のボックス相場と考えることができます。

55円~105円の間に、ロングとショートのトラリピを配置します。
何年か取引を継続し、その間に105円→55円→105円と動いたとします。

すると、ロングのポジションはなし、ショートのポジションは多数となります。為替レートの変動でリピートできるとはいえ、日々のマイナスのスワップポイントが無視できない大きさになるでしょう。 

毎日のリピートでマイナスのスワップポイント分を埋め合わせられるかどうか。 

そして、ボックス相場を離れたとします。例えば、110円になったとします。レンジを離れたので決済することになりますが、50円台や60円台で建てたポジションの損失が大きくなります。

はたして、決済した後に利益が残るでしょうか。

レンジを離れても決済しないという選択肢もあるでしょう。すると、レンジを離れてレートが上昇するとき、生きた心地がしないかも知れません。 

110円、115円、120円・・・と上昇するとき、強制ロスカットを待つ心境というのは、どんな感じでしょうか。
相場の世界ですから、AUD/JPYが110円を超えることはない、と言い切ることは難しいでしょう。

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トラリピの利点の一つは、設定後は放っておいて良いということです。
しかし、両建てトラリピの場合で、マイナススワップが積み重なる側のレンジの端に為替レートがあるとき(AUD/JPYならば100円~105円あたり)、放っておけばよいという精神状態でいられるでしょうか。

次回は、これらの困難を回避する方法があるかどうかを考えます。 

→ M2Jのトラリピで押さえておくべき3つのメリット

両建てトラリピ検証シリーズ
その1: トラリピしたい通貨ペアの条件  
その2: 両建てトラリピの難題 
その3: リスクを制御した両建てトラリピ 
その4: トラリピでレンジを外れるときの対応 
その5: 両建てトラリピをしても良さそうな通貨ペア 
その6: AUD/NZDのスワップポイントと為替レート 
その7: AUD/CADのスワップポイントと為替レート 
その8: ヒストリカル・ボラティリティを比較する 
その9: EUR/CHFの両建てトラップ系取引  
その10: 両建て取引検証シリーズ:まとめ